米DocuSignの株価は、アナリストらが「素晴らしい内容」と評した同社の2021会計年度第2四半期決算(7月31日締め)が米国時間9月3日夕方に発表された翌日、13%近くも下落した。
実際のところ、同四半期決算はどの点をとっても最高だった。売上高と利益は予想を上回り、第3四半期の見通しも高くなっていた。また、第2四半期の売上高が前年同期比で約60%増という極めて好調な海外事業にさらに注力する上で同社は、最高財務責任者(CFO)のMichael Sheridan氏を海外業務担当プレジデントに任命した。さらに第2四半期に、今後の主力となる新たな製品カテゴリーを追加した。それは、大手機関が公証人の実際の訪問なしに契約を公証できるようにするためのものだ。
同社の最高経営責任者(CEO)Dan Springer氏は米ZDNetとのインタビューで、同社の事業を大きく押し上げたトレンド、特にデジタル変革(DX)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが最終的に終わりを迎えた後も続いていくと述べた。
Springer氏は「ニューノーマルと呼ばれる日々が到来し、人々がオフィスに戻れるようになり、在宅勤務が必須ではなくなった場合にどういったことが起こるのかという質問を多くの人々が投げかけている」と述べた。
「われわれの見方は、後戻りすることはないというものだ。紙ベースや手作業でのプロセスから、デジタルプロセス、すなわち優れたコンシューマーエクスペリンスをもたらす、より迅速で、より安価なプロセスにいったん移行してしまえば、元の状態に戻そうとか、紙ベースの作業に戻りたいと思う人など出てこないはずだ」(Springer氏)
また、プロセスを急きょデジタル化するというニーズが突如もたらされたことで売上高は大きく伸びた。第2四半期の課金高が前年同期比61%増になったのはその証拠だ。Springer氏は「われわれの歩みはCOVID-19によって加速された。その点に間違いはない」と付け加えた。
第2四半期の売上高は前年同期比45%増の3億4200万ドル(約360億円)、1株当たり利益(EPS)は17セント(約18円)だった。アナリストらは通期の売上高を13億8000万ドル(約1470億円)、EPSを58セント(約62円)と予想している。また、同社の2桁成長は翌年、翌々年も続くと見込まれている。
DocuSign CEOのDan Springer氏は「ニューノーマルと呼ばれる日々が到来し、人々がオフィスに戻れるようになり、在宅勤務が必須ではなくなった場合にどういったことが起こるのかという質問を多くの人々が投げかけている。われわれの見方は、後戻りすることはないというものだ。紙ベースや手作業でのプロセスから、デジタルプロセス、すなわち優れたコンシューマーエクスペリンスをもたらす、より迅速で、より安価なプロセスにいったん移行してしまえば、元の状態に戻そうとか、紙ベースの作業に戻りたいと思う人など出てこないはずだ」と述べた。
提供:DocuSign
DocuSignは第2四半期に、複数の新製品を市場に投入するとともに、共同作業が可能な公証機能を利用可能にする計画を発表した。Bank of Americaといった大手顧客が顧客との契約、例えば新規口座の開設のための契約を公証したい場合、顧客は実際に支店に出向く必要がある。