NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と三井不動産は、公募設置管理(Park-PFI)制度を利用して、名古屋市の久屋大通公園の北エリア・テレビ塔エリアで「安心安全な街づくり」の実現に向けた検証を開始する。同エリアは全長約900メートル、面積約5万4500平方メートルの広さがあり、「Hisaya-odori Park」という名称で親しまれている。検証は2021年2月末まで行われる。
具体的には、公園内地下広場(旧もちの木広場)の防犯カメラ映像をNTT Comの人工知能(AI)技術を用いて解析し、防犯や事故防止に活用するほか、匿名化、統計化されたスマートフォンの位置情報データを用いて来園者の行動を解析し、施設運営やマーケティングに活用する実験を行う。
検証のイメージ
今回の検証では、主に「AIによる映像解析データの安心安全な街づくりへの利活用」と「来園者の匿名・統計位置情報データのマーケティングへの利活用」をテーマとしている。
AIによる映像解析データの利活用では、公園内地下広場に設置した防犯カメラ映像を、NTT ComのAI「COTOHA」の映像解析エンジン「Takumi Eyes」によってリアルタイムに解析する。Takumi Eyesの「全身照合」「顔照合」機能により、顔の映像が不明瞭な状況でも瞬時に人物を認識し、さらに「リアルタイム人物トラッキング」機能などを活用することで、不審者の追跡や迷子の捜索などに迅速に対応可能な警備体制の実現を目指す。
また、「車いす・白杖の物体検知」機能によるサポートが必要な人の検知や、「転倒検知」機能による転倒、うずくまり動作を検知するとともに、「人数カウント」機能による混雑状況の把握などを行い、安心安全な公園運営実現に貢献していく。
マーケティングへのデータ利活用では、データワイズとの協業により、統計化されたスマートフォンの位置情報データを用いて、来園者の散策状況などについて、来園者満足度向上につなげる情報としての活用を目指す。データワイズは公園運営を受託する三井不動産に、公園および周辺の混雑状況や来園者の訪問頻度などの位置情報解析技術を、SaaS型ジオデモグラフィックダッシュボード「Datawise Area Marketer」を通じて提供する。これにより、公園内の各施設における来園者層の違いやその行動パターンの違いなどを踏まえた、よりきめ細やかなサービス提供や施設運営が可能となる。
今後両社は、検証結果を生かして安心安全に楽しめる、にぎわいと魅力にあふれた空間形成を目指す。NTT Comが提供する「Smart Data Platform」を基盤とし、より多くのパートナーと連携・協業していくことで、対象店舗や施設を2021年春以降順次拡大し、安心安全な街づくりに貢献していく。