NVIDIAは米国時間10月5日、ロボティクスに興味のある学生やホビイストに向けて新たな開発者キット「Jetson Nano 2GB」を発表した。
Jetson Nano 2GBは、ロボティクスの愛好家や、人工知能(AI)/ロボティクス分野の教材を求めている学生や教育者に向けた製品だ。エントリーレベルのこの製品は、「誰もが容易にAIにアクセスできるようにする」ことを念頭に置き、オンラインチュートリアルや認定プログラムも含め、59ドル(約6200円)という価格に設定されている。
この製品は小型ながら、「NVIDIA JetPack SDK」に対応しているだけでなく、NVIDIAコンテナーランタイムと、ソフトウェア開発用の完全なLinux環境を備えている。
また、AIベースの機能やデータ処理、機械学習(ML)、配備のサポートに向けたライブラリーとツールのコレクションである「CUDA-X」を活用している。
この組み合わせによって、「開発者は、『Jetson』向けのアプリケーションと、その依存関係すべてを、あらゆる配備で利用できるように設計された単一のコンテナー内にパッケージ化する」ことが可能になるという。
また、数多くのJetson開発者らが貢献しているオープンソースプロジェクトやチュートリアル、ノウハウのほか、無料のオンライントレーニングや認定も用意されている。
NVIDIAは、「Jetson Nano 2GB開発者キットによって、AIアプリケーションの進化に伴う学習と創造に向けた、スケーラビリティーのあるプラットフォームがもたらされる」と述べている。
Jetsonシリーズに今回加わる同製品は、「NVIDIA Jetson AI at the Edge」プラットフォーム上に構築されている。Jetson Nano 2GB開発者キットは、AIの指導や学習のために、ロボティクスやインテリジェントIoTなどの分野でさまざまなハンズオンプロジェクトが生み出されることを目的として開発された。
ロボティクスに興味のある学生やホビイストらにとって特に興味を引かれるのは、オープンソースの「JetBot AI」ロボットプラットフォームだろう。同プラットフォームでは、Waveshareの「JetBot AI Kit」やSeeedの「Seeedstudio JetBot Smart Car Kit」といった小型モバイルロボットの開発にも用いられているJetpack SDKが活用されている。
Jetson Nano 2GB開発者キットは、10月末より、NVIDIAの流通チャネルから入手可能になる。先行予約販売も開始される。
NVIDIAのエッジコンピューティング担当バイスプレジデントのDeepu Talla氏は、「今日の学生やエンジニアはコンピューターをプログラミングしており、近い将来には、ロボットと対話したり、ロボットとAIを共有したりするようになるだろう。この新たなJetson Nanoは、驚くほど手に入れやすい価格で、実地での学習や実験を可能にしてくれる、AIコンピューターの出発点として究極の製品だ」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。