ノキアとノキアベル研究所は、5G(第5世代移動体通信システム)関連産業についての調査リポート「5G Business Readiness」を発表した。これによると、5G関連産業は2030年までに世界経済に8兆ドルの価値をもたらすと予測される。
日本企業の5G導入は8%で、5Gの5段階の導入度のうち、最も進んだ「拡張」段階に位置する。サウジアラビア(13%)、米国(12%)、韓国(10%)に次いで4位となっている。
この調査では8つの国(オーストラリア、フィンランド、ドイツ、日本、サウジアラビア、韓国、英国、米国)と6つの産業部門(エネルギー・公共インフラ、鉱業、製造、公共、医療、運輸)の計1628人の技術購入意思決定者に対して質問を行った。従業員250人未満の企業からの回答者には、エネルギー・公共インフラと鉱業部門の会社が含まれている。
現在、日本企業の18%が5Gに投資しており、世界平均の15%を上回った。これは韓国(21%)、米国(20%)に次ぐ水準で、日本企業の50%以上が今後5年間に、5Gの投資を計画している。さらに日本企業のほぼ半数(49%)が、新型コロナウイルス感染症の大流行の影響でデジタル化を加速しており、41%の企業が、5Gでの労働生産性の向上に対して最も望ましい影響を及ぼすと回答している。
また、日本の技術購入者の3分の1は、インフラへの政府の投資やコスト削減のための補助金によって、5Gへの投資を増やすことができると述べている。
世界的に見ると、5Gの導入企業の49%は、5Gの導入計画のない企業や、5Gの計画や調査の段階にある同業他社よりも急速に成長した。また、5Gの「拡張」段階に分類される企業だけが、コロナ禍で生産性が10%増加した。一方、5Gの「導入」段階の企業は3%減少、「計画」段階の企業は15%減少、「調査」段階の企業は40%減少したという。
さらに意思決定者の22%が、都市中心部以外では主要インフラの利用可能性が限られていると回答しており、回答者の19%は、企業内の意思決定者が5Gについて十分に理解していないことが大きな障壁だと答えている。また回答者の16%が自分自身も十分に5Gについて理解していないと答えている。
テクノロジー購入者の4分の1以上(27%)は、5Gの導入は現在のビジネスの優先事項ではないと述べており、ほぼ半数(45%)が5Gのセキュリティに不安を感じているという。