不二工機の中国現地法人の蘇州不二工机と日立製作所は、製品トレーサビリティーの強化とサプライチェーンの連携を実現するスマートな高効率生産システムを構築し、10月に稼動開始した。
不二工機は、1949年の創業以来、冷凍・空調用自動制御機器メーカーとして、創造的最新技術により業界をリードしている。蘇州不二工机は、2001年に設立され、中国での自動制御機器の製造・販売を担っている。
蘇州不二工机の工場の外観(写真左)と、同工場に新たに構築した製造管理システム「FactRiSM」運用の様子(写真右)
高効率生産システムの構築に当たり蘇州不二工机のエアコン用自動制御機器の製造工場に、日立の子会社である日立解決方案(中国)が、日立のLumadaソリューションである製造管理システム「FactRiSM」を導入した。
「FactRiSM」コンセプトイメージ図
蘇州不二工机に構築したスマートな高効率生産システムのイメージ図
「FactRiSM」は製造の流れを制御する製造実行管理システムで、製造管理に必要な機能をオールインワンで提供する。SOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順)を軸とした情報結合技術により網羅的なトレーサビリティーを実現しており、作業者(Human)データ、設備(Machine)データ、材料(Material)データを、標準作業手順データにひも付けて一元管理できる。部門や工程を横断したデータの共有だけでなく、4Mデータによる網羅的なトレーサビリティーを可能にし、製造管理業務を効率化する。
これまで蘇州不二工机は作業員が紙に作業実績を記録していたため、トレーサビリティーを行うのに多くの時間を要していたが、今回はFactRiSMによって製造現場から収集・蓄積する4Mデータを用いて網羅的な製品トレーサビリティーを厳格かつ迅速に行えることから、品質管理体制の強化を実現するとともに、より詳細な作業実績の見える化によって作業効率の向上につなげることが可能となる。
さらに、FactRiSMと調達、生産、販売系の基幹システム・周辺システムとをシームレスに連携させることより、事業全体のタイムリーな可視化が図れ、迅速な経営判断を支援できるようになった。