Microsoftは米国時間11月23日、「Windows 10 October 2020 Update」、すなわち「Windows 10 20H2」の新たなビルド「Build 19042.662」(KB4586853)を、「Windows Insider」プログラムの「Beta」チャネルと「Release Preview」チャネルに参加しているユーザーに向けてリリースしたと発表した。
今回のビルドは多数のバグ修正を含んでいるが、Neowinの記事で指摘されているように最も注目すべきは、Insiderプログラムに参加していない、20H2と「Windows 10 May 2020 Update」(バージョン2004)のユーザーに向けて提供される11月のオプション累積更新プログラムのプレビューとなっている点だろう。
Kerberos認証の問題に対するパッチのインストールで引き起こされた問題の修正として17日にリリースされた緊急アップデートのような、定例外でのリリースがない限り、これが2020年最後のオプション累積更新プログラムとなるはずだ。というのも同社は、12月のオプション累積更新プログラムのリリースを、ホリデーシーズンである点と、人員が手薄であるという点から停止するためだ。月例セキュリティアップデート「Patch Tuesday」はリリースされる。
年内最後となる、20H2とバージョン2004に対するオプション累積更新プログラムは、数日以内にリリースされると見込まれている。なお、20H2とバージョン2004のコアは同じであるため、アップデートは同一のものとなる。
今回のInsiderビルドの説明として最初に挙げられているのは、「Internet Explorer」(IE)の「About」ダイアログが標準のモダンダイアログボックスにアップデートされたという改善と、「Microsoft Narrator」のアクセシビリティー機能の問題に対する修正だ。
また、「Windows Virtual Desktop」(WVD)でユーザーがサインインしようとした際に画面が真っ黒になるという問題も修正されている。
さらに、USBデバイスが接続されている際に、「Universal Windows Platform」(UWP)アプリ上でタッチキーボードがオープンできるようになった。
また、画面解像度の異なるデバイスで「Remote Desktop Connection」を使用している場合にタッチキーボードが欠けるといった、ちょっとした不備も修正されている。
さらに同社は、特定のMIDIデバイスでBluetooth Low Energy(BLE)を用いた接続ができないという問題も修正した。この他、「Google Chrome」を用いて「Azure Active Directory」(Azure AD)にアクセスしようとした際に「Conditional Access」ポリシーエラーが発生するという問題も修正した。
今回のInsiderビルドには、Kerberos認証がバイパスされるという問題に対処する11月の月例パッチで引き起こされていた認証まわりの問題の修正も含まれている。
同社はリリースノートで、「われわれは、11月10日のWindowsアップデートの一部として対処していた『CVE-2020-17049』におけるPerformTicketSignatureレジストリーのサブキー値に関連するKerberos認証の問題を修正した」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。