本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、富士通が提供する「オンライン診療ソリューション」を取り上げる。
電子カルテと連携したオンライン診療ソリューション
富士通は先頃、新型コロナウイルス感染症などに伴う院内の感染防止対策や医師の働き方改革を支援するため、診療所から大規模病院まで同社の全ての電子カルテシステムと連携した「FUJITSUヘルスケアソリューション オンライン診療ソリューション」の提供を開始したと発表した。
オンライン診療ソリューションは、患者がスマートフォンのアプリで診療予約から会計までを行える2016年から提供中の「FUJITSUヘルスケアソリューションHOPE LifeMark-コンシェルジュ」とセキュアに連携し、スマホアプリで通知されたオンライン診療で利用するビデオ通話システムのURLに患者がアクセスすることで安心、安全なオンライン診療を実現する。
同ソリューションにより、患者はオンライン診療だけでなく、診療予約から会計に渡って全てを簡単にスマホアプリで完結できるようになる。税別価格は150万円から。2025年度末までに850施設への提供を目標としている。(図1)

図1:オンライン診療ソリューションの活用イメージ(出典:富士通)
同社ではオンライン診療ソリューションの機能を順次強化し、2020年度中に、同社の電子カルテシステム上からのビデオ通話システムの起動や、受付患者一覧でのオンライン診療の患者管理、院外薬局や患者宅への処方箋送付の機能などを提供する予定だ。
今後は、クラウド型の電子カルテシステム「FUJITSUヘルスケアソリューションHOPE Cloud Chart」とオンライン診療ソリューションとの連携も予定。また、電子処方箋や服薬指導のオンラインサービスを継続的に開発、提供していくことで、地域住民や患者、医療従事者のさまざまなニーズに対応し、ニューノーマル時代の社会づくりに貢献していく構えだ。