岡谷システム、「IBM Cloud」で運用する介護ソフトをコンテナー化

NO BUDGET

2020-12-16 11:34

 岡谷システム、日本IBM、セントラルソフトサービス(CSS)の3社は、岡谷システムが提供する介護事業所向けのAI(人工知能)を活用した業務支援システム「トリケアトプス」のコンテナー化を完了し、10月に運用を開始した。

 トリケアトプスは、介護事業所や現場の介護職員向けに、介護に関する計画・実績管理、請求、介護職員のスケジュール管理等の業務を一元的に支援するソフトウェア。

 岡谷システムでは、これまでトリケアトプスのシステム基盤として、2014年にIBMのパブリッククラウド「IBM Cloud」を採用し、全面クラウド化を進めてきた。一方、法改正への対応をはじめとし、新型コロナウイルス感染リスクを心配する高齢者の施設利用控えや、通所介護から訪問介護への切り替えなど、介護のあり方の多様化に対応するため、システム刷新を必要としていた。

 刷新に当たり、岡谷システムでは、システムのコンテナー化とCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)のアプローチを取り入れた。コンテナー化によって、一度構築したアプリケーションに関し、稼動環境やOS、構成、開発言語を気にすることなく運用することが可能になる。

 CI/CDでは、「IBM Cloud Kubernetes Service」と、継続的デリバリーのためのツールセットである「IBM Continuous Delivery」を採用した。音声入力などの「IBM Watson」によるAI機能との統合もシームレスに実現し、AIを活用したさらなる利便性の向上も可能になった。

 継続的インテグレーションと継続的デリバリーで、アプリ開発者がソースコードを書き換えると、その後の稼動までの作業を自動化する。これによりアプリ開発者は、インフラの環境に依存することなく、システムの開発、運用、テストにかかるプロセスの大部分を自動化し、省力化することが可能になる。

 こうした取り組みの結果、岡谷システムでは、これまでシステムを停止して月に1回程度しかできなかったアプリケーションのリリースを、システムを停止することなく1日に複数回実行することが可能になった。

 またデータベースについては複数サーバーによるクラスター構成としシステムの可用性とセキュリティの向上させた。これにより、1台のデータベースサーバーが障害によりダウンしてもサービスを継続できるようになった。

 バックアップについては、オンラインでデータベースの整合性を保ったまま取得する方法を採用した。これにより毎週1回土日の夜間に、システムを2〜3時間の間、完全に停止させた上で、バックアップを取得していたものを無停止で実施できるようになった。さらに、クラスター構成にしたことにより、本番稼動しているサーバーと異なる待機系のサーバーからバックアップを取得できるようになり、本番環境にほぼ影響を与えることなくデータ更新頻度が高い日中においても1時間1回のバックアップができるようになった。

 一連のデータベースの環境構築はCSSが担当した。同社では、IBM Cloudが提供する監視サービス(Sysdig)を活用しつつ、これまでの保守、運用サポートの経験を生かし、今後もトリケアトプスの運用を支援する予定だ。

   

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