「Rocky Linux」の開発者によると、このプロジェクトの最初のリリースは2021年第2四半期に提供される可能性がある。Rocky Linuxは、Red Hatが後援する「CentOS」を使用しているプロジェクト向けに代替となる新しいLinuxディストリビューションを提供することを目指している。
CentOSプロジェクトは2020年12月、「『Red Hat Enterprise Linux』(RHEL)のリビルド版であるCentOS Linuxから、最新版のRHELの少し先を先行する『CentOS Stream』に重心を移す」と発表した。
一部のユーザーはこの動きを歓迎しなかった。これを受け、CentOSの共同創設者Gregory Kurtzer氏は、「2021年以降も長期にわたって『CentOS 8』を使用したい企業がシームレスに事業を継続」できるようにするため、CentOSに代わるRocky Linuxを独自に開発する意向であることを即座に発表した。
12月下旬に公開されたプロジェクトの最新のアップデート情報によると、Rocky Linuxの最初のリリースは2021年4月以降に提供される可能性がある。
Rocky LinuxのコミュニティーマネージャーJordan Pisaniello氏は、「コアチームは現在、法人組織と、初期リリースの提供とサポートに必要なエンジニアリング作業を支えるインフラストラクチャーの構築に取り組んでいる」としている。
「われわれは、Rocky Linuxの最初のリリースを2021年第2四半期に提供することを目指している」(Pisaniello氏)
興味深いことに、このチームはRocky Linux開発の主要なビルドプラットフォームとしてAmazon Web Services(AWS)を選択している。
「AWSは主にRocky Linuxのソフトウェアサプライチェーンの整合性を守るために選択された」(Pisaniello氏)
同氏によると、Rocky Linuxは標準のコマーシャルリージョンだけでなく、AWSの「GovCloud」や中国でも利用可能になるという。
また、「コミュニティーや、CentOS 8のサポート終了前にRocky Linuxを利用してCentOS 8のインストールを置き換える予定の人々に対する透明性が極めて重要だ」としている。
さらに、ビルドシステムやインフラストラクチャーの準備の進捗状況、自動パッケージビルドインフラストラクチャー、テスト用パッケージリポジトリーの公開時期、インストーラーのテストの準備状況、コミュニティーテスト、リリース候補版に関するタイムラインをまもなく明らかにする予定だとしている。
また、物理インフラのセキュアなホスティングに向け、複数のデータセンタープロバイダーと交渉中だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。