パナソニックとパナソニック システムソリューションズ ジャパンは2月17日、ネットワークシステムを提供する「現場マルチネットワークサービス」を4月に開始すると発表した。新規中核事業と位置付け、2025年までにのべ1000億円の売り上げを見込む。
同サービスでは、各種無線規格に対応したシステムの製品や機器の販売、構築、ネットワークの運用を行う。4月1日時点でプライベートLTE(自営BWA)とWi-Fiを提供し、6月にプライベートLTE(sXGP)、2022年4月にローカル5G(自営型第5世代移動体通信)、同年10月にWi-Fi6の発売を予定。ローカル5Gの価格が従来比で5分の1以下にするという。キャリア網(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)とも連携する中継用リンク装置も実用化済みとしている。
サービス概要
対応予定無線通信規格
パナソニックは、過去70年間で防災無線などさまざまな特化型無線分野で端末やシステムを提供した実績があるとし、近年はIoT(モノのインターネット)化に伴う業務現場からの機器のデータや計測データ、制御データなどを無線転送する需要が高まり、設備提供だけでなく通信サービスを含めた事業化に乗り出した。サービス内容などにより他社との協業も視野に入れる。
今回のサービスでは、規格が異なる通信方式でも一元的に運用管理する独自のマルチアクセス技術を開発したという。第一段階は、SIM認証を伴う機器に対応し、屋外などの広域エリア(自営等BWA)から屋内エリア(sXGP)へのシームレス移動を可能にする。第二段階ではSIM認証を伴わないWi-Fi機器などを加え、用途に応じて最適な通信制御を柔軟にできるようにするという。
この他に、監視カメラシステムやビデオ会議システムの開発で培った画像伝送技術、電波伝搬シミュレーション技術、計測や認識などのアプリケーションソフトウェア、タブレット端末やウェアラブルカメラなどのエッジ装置にも強みがあり、これらを用いた事業展開を図っていくとしている。機器費用と導入・構築サポート利用料は個別見積もりで、運用サポート利用料は月額12万円から。