スマートシティのプラットフォーマーを目指すNTTデータの「SocietyOS構想」とは

松岡功

2021-02-10 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NTTデータが創設した新ブランド「SocietyOS」を取り上げる。

新ブランド「SocietyOS」がもたらす4つの特長とは

 NTTデータは先頃、スマートシティの実現に向けた新ブランド「SocietyOS」を創設したと発表した。

 昨今、少子高齢化や環境問題、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす新しい生活者ニーズの多様化や変化、政府が推進する行政のデジタル化など、街づくりに求められる要素は複雑化している。これらの要素に、持続的に対応していく手段として、スマートシティが注目されている。

 NTTデータはこれまでNTTグループと連携し、ラスベガスシティのスマートシティ化や田園調布雙葉学園におけるスマートキャンパスの取り組みなどにおいて、プロジェクトを中心的に推進する役割を担ってきた。そうした知見を生かし、それぞれの地域にあった都市機能、サービスを生活者視点で価値創出していくための新ブランドとしてSocietyOSを創設した。(図1

図1:SocietyOS構想の概要(出典:NTTデータ) 図1:SocietyOS構想の概要(出典:NTTデータ)
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 SocietyOSはNTTデータが持つ各分野の強みだけでなく、社外のサービスと組み合わせて、さまざまなユースケースを実現する。社内外の強みを連携、活用し、価値あるユースケースを実現するための仕組みとして、次の4つの特長を備えている。

 1つ目は、サービス連携によるエコシステムの形成だ。顧客の価値創出に必要なエコシステム形成のため、さまざまなサービス/ソリューションとの連携を可能とする。また、NTTデータの既存サービスをAPI化し、SocietyOSと連携することで、迅速に提供可能なサービスを拡充していく。

 2つ目は、幅広いデータ連携、活用だ。行政機関や企業などが保有する静的データだけではなく、カメラやセンサーなどさまざまなIoTデバイスから得られる動的データの収集と活用を可能としている。集めたデータは連携、分析してさまざまなサービスに活用可能だ。特に個人情報、個人サービスログについては、厳密管理と分析活用を共存させ、多様化するパーソナルニーズに応えられるサービス開発をサポートする。

 3つ目は、サービス改善に寄与する高速デリバリーだ。サービスの継続的な開発と高速デリバリーをサポートするクラウド環境を提供し、顧客のサービス改善活動の高速化を実現する。この環境上で開発、運用されるサービスについては、NTTデータが保守や運用業務をトータルでサポートし、安定運用に寄与する。

 4つ目は、NTTグループのノウハウや技術力を活用できることだ。SocietyOSの展開にあたってはNTTグループ各社との連携を強化し、同グループ全体のノウハウや技術力を活用していく。具体的には、個人情報管理、行政機関システム、金融機関システム、決済システム、人流及び地図システム、セキュリティ運用など、スマートシティの実現に有効なNTTグループの多様なノウハウをNTTデータがコンシェルジュとして提供していく。(図2

図2:SocietyOSアーキテクチャイメージ(出典:NTTデータ) 図2:SocietyOSアーキテクチャイメージ(出典:NTTデータ)
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