IBMが「Watson Health」事業部門の売却を検討しているという。複数のメディアが報じている。最高経営責任者(CEO)のArvind Krishna氏は、人工知能(AI)やクラウドなど、利益率の高い事業にフォーカスする計画を打ち出しており、その一環として、Watson Health事業の売却が検討されているようだ。
Watson Healthを含むコグニティブアプリケーションは、2020年第4四半期の売上高が前年同期比2%減の15億ドルだった。
IBMは2020年10月、マネージドインフラストラクチャーサービス部門を新たな株式公開企業として分社化する計画を発表した。Red Hatを含むハイブリッドクラウド事業への取り組みを強化する狙いがある。マネージドインフラストラクチャー部門が分社化されれば、IBMはサービスが売上高の半分以上を占める企業から、高価値のクラウドソフトウェア、ソリューションが売上高の多くを占める企業へと移行するだろう。
IBM Watsonは、前CEOのGinni Rometty氏の下で、IBMの「戦略的インペラティブ」の1つとなっていたが、成長が停滞する側面もあったとみられる。
Watsonは最も注目度の高いIBMの取り組みの1つであり、医療分野での成長に大きな期待が寄せられていたが、The Wall Street Journal(WSJ)によると、「医師が人工知能の採用を躊躇したことも理由の1つ」となり、期待通りの結果とならなかった。2018年には、Watson Health部門の一部の従業員が解雇されたと報じられた。
WSJは、IBMが「プライベートエクイティ企業や業界の企業への売却、またはブランクチェックカンパニーとの合併」を検討している可能性があるとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。