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この10年間を代表するエンタープライズIT企業の最高経営責任者(CEO)を選ぶ作業は、さまざまな理由で簡単ではないが、その理由の1つは在任期間だ。そもそも、その地位に10年間あり続けるCEOはほとんどいない。しかし、エンタープライズテクノロジーや自社に大きな影響を与えたCEOは数多くいる。この記事では、米ZDNetが選んだこの2010年代を代表するCEOを紹介する。
その前にまず、どうやってこのリストを作ったかを説明しておこう。このリストは、米ZDNetの編集者で構成されるグループ(米TechRepublicのBill Detwiler、米ZDNetのLarry Dignan、Chris Duckett、Steve Ranger)で議論し、売り上げの伸びから顧客の評価、ビジョン、リーダーシップに至るまで、あらゆる要素を考慮して選んだ。在任期間は最低6年間を目安にしたが、幸い、多くのIT企業のCEOは2014年にその地位に就いていた。また、特筆すべき無形の要素についても考慮した。これらの要素をすべて考慮に入れると、圧倒的な勝者を挙げることは難しい。さらに、この10年間に極めて大きな影響を与えたエンタープライズテクノロジー企業であるAmazon Web Services(AWS)を外すわけにはいかないが、同社では2016年に就任した新しいCEOのほかに、さまざまな人物が重要な役割を担っていた。その上、AWSはさらに大きな親会社であるAmazonの子会社だ(ここでの「大きい」は、売上高を指しているが、実際にはAWSがAmazonの営業利益の多くを稼ぎ出している)。
少し脱線してしまったので、そろそろ本筋に戻ろう。本稿では、私たちが選んだこの10年を代表するCEOを紹介し、その理由を説明していくことにしたい。