
顧客と自覚:Salesforceの共同CEO Marc Benioff氏
Salesforceの共同CEOであるMarc Benioff氏も、クラウド業界のパイオニアの1人であり(Salesforceは「先駆者(Trailblazer)」という言葉を使っている)、自律的な成長と買収による成長の両方をよく知っている経営者だ。しかし、同氏が成し遂げた最大の偉業は、同氏のビジョンに関するものかもしれない。
Benioff氏は、最初に顧客ファーストをうたい、最初に信用は資産であると見なし、最初に企業として社会的なビジョンを示した。
今やSalesforceは、企業にとっての必需サービスの1つとなった。同社の現在の成長戦略は、複数のクラウドを売ることを中心にしたものだ。SalesforceはCRMの企業だったが、その後、企業のデジタル変革(DX)を支える、顧客データのリポジトリーとも言うべき企業に進化した。現在は、アナリティクス(「Tableau」と「Einstein」)や、顧客ベースのDX(「Customer 360」)、業界クラウド、システム統合(MuleSoft)などにも手を伸ばしている。