
AppleのCEO Tim Cook氏
AppleのCEOであるTim Cook氏は、「Apple Watch」をリリースし、ハードウェアによる成長が減速している中、10年間に渡って「iPhone」の発売サイクルから利益を上げ続け、サービス時代に向けて同社を改革していることで知られている。問題は、AppleがポストiPhone時代に向けて未来をどう描き出そうとしているかだ。Apple Watchや「AirPods」は、それ単体ではそれほど大きな変革を起こすものではなく、スマートグラスやApple製の自動車が近いうちに世に出る可能性も低そうだ。
Cook氏のエンタープライズ市場に関する取り組みは、あまり知られていないかもしれない。同氏がIBMやCisco、SAP、Accentureなどとアプリに関するパートナーシップを結んできたことを考えれば、これは残念なことだ。ヘルスケア分野に参入するための取り組みも数多く進めており、今後も同様の取り組みが見られるはずだ。ともあれ、Appleは今や企業に必要不可欠な存在になった。
Appleを企業に必要な存在にしたことは、Cook氏の功績と考えてよいかもしれない。「IBM CIO: Mac users perform better, more engaged than Windows users」(IBMのCIO、「MacユーザーはWindowsユーザーよりもパフォーマンスやエンゲージメントが高い」と発言)という記事の見出しは、10年前にはあり得なかっただろう。