ドキュサイン・ジャパンは3月25日、記者会見を開催。クラウドベースの契約ライフサイクル管理(Contract Lifecycle Management:CLM)システム「DocuSign CLM」を解説した。DocuSign CLMは2018年7月にDocuSignが買収したSpringCMのCLM基盤に拡張を加え、「DocuSign Agreement Cloud」に統合している。
ドキュサイン・ジャパン ソリューション・エンジニアリング・ディレクター 佐野龍也氏
ドキュサイン・ジャパン ソリューション・エンジニアリング・ディレクター 佐野龍也氏は「契約処理における容易な環境設定や直感的なUX(ユーザー体験)、部門をまたいだ契約ライフサイクルの標準化を通じて、効果の最大化や法令遵守の向上」につながるとDocuSign CLMの優位性を強調した。
6割以上がセールスサイクルの遅延に悩まされる
契約業務における課題として佐野氏は、米本社とForresterが2019年に実施した調査結果を引用し、次のように解説した。
「(契約条項などに起因する)48%がコンプライアンス(法令遵守)の欠落とリスクを抱えている。また、65.4%の方が(案件獲得や売り上げ計上といった)セールスサイクルの遅延に悩まされ、契約処理の長期化に伴う案件の消失を経験されている。さらに契約締結業務における可視化が実現できていないことから、生じている支障を把握できず、再契約を事前検知できない割合は38%におよぶ」
これらの課題に対して同社は、DocuSign Agreement Cloudに組み込まれたDocuSign CLMの活用を提案した。
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一般的な契約業務はアプリケーションでドラフトの契約書を作成し、契約先の校閲などを経て、社内承認を行う。法務部門の確認や権限者の署名を得たら契約先が署名、押印した契約書を受け取り、デジタル化やキャビネットの保管など後処理に至る。
この間は契約の締結を社内外の関係部署へ通知や保管時のインデックス作成といった業務も発生するだろう。このように人手が各所に介在するため、業務工程の遅延や人的ミスといったリスクを排除することは難しい。
これに対して佐野氏は「準備から署名・押印、実行、管理まで自動化できる」と主張する。