京セラドキュメントソリューションズは、社内のデジタル変革(DX)を加速させるため、SAPジャパンのクラウドデータマネジメントサービス「SAP HANA Cloud」を国内で初めて採用し、デジタルコア基盤の構築を完了した。SAPジャパンが発表した。同システムは、2月から運用している。
2020年3月からグローバルで提供されているSAP HANA Cloudは、インメモリーデータベースによる高速な処理に加え、クラウドサービスによる運用コストの削減を可能にする。また、データソースを集約する各業務システムに対してもSAP HANA smart data accessと呼ばれる「仮想データアクセス」の機能を提供する。さらに、社内に分散するシステムに個別にアクセスすることなく、「シングルポイント」である SAP HANA Cloud に対してSAP Analytics Cloudをはじめとする分析ツールでアクセスすることで、社内のデータをユーザーの目的に合った形で柔軟に活用できる。
京セラドキュメントソリューションズはドキュメントソリューション事業を担っており、複合機やプリンターに加え、商業用高速インクジェット事業にも参入している。ビジネスアプリケーションやコンサルティングサービスも手がけ、140カ国以上の国と地域にトータルドキュメントソリューションを提供している。
構築プロジェクトは、NTTデータ グローバルソリューションズが支援。同社はSAP HANA Cloudの製品提案だけでなく、データ活用基盤のロードマップを策定し、データ活用基盤の導入と浸透を図る「成長期」、データガバナンスを取り入れる「成熟期」、さらなる活用を目指す「次期」という段階に分け、各段階に応じた展開計画を提案し、それに基づいた移行/導入を支援している。
京セラドキュメントソリューションズは、2004年にSAP ERP、SAP BW(Business Warehouse)、2013年にSAP HANAを導入し、データ活用のモダナイゼーションを実現している。だがオンプレミスで構築された基盤では、急激に変化するビジネス要件への対応や先進技術の活用に時間を要しており、データ活用の取り組みにおいて課題を抱えていた。
課題解決には、「機械学習を活用した先進的なデータ分析を実現する」「データの蓄積や分析の両面からクラウド化することで、継続的な先進技術の活用と運用費のコストダウンを図る」「集計や分析処理の高速化で既存資産を有効活用する」という3つの目標達成が必要だと判断し、今回の導入に至ったという。