製造業はデジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈でコロナ禍以前から製造工程の最適化に努めていた。この流れを加速されるために、データウェアハウス(DWH)大手の米Teradataは、BMWとMicrosoftが共同で設立した「Open Manufacturing Platform」(OMP)への参画を表明した。
(左から)日本テラデータ ビジネスコンサルティング事業部 マネージャービジネスコンサルタント 矢野寛祥氏、同社 エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部 シニア・ソリューション・エンジニア 田中修氏、同社 ビジネスコンサルティング事業部 シニアビジネスコンサルタント 小俵友之氏
この流れを受けて、Teradataの日本法人である日本テラデータは4月22日、記者会見を開催。同社ビジネスコンサルティング事業部 マネージャービジネスコンサルタント 矢野寛祥氏は「Industry 4.0の開発、構築は1社単独では限界がある。各プレーヤーが参加して構築するプラットフォームに(データ分析基盤ソフトウェア「Teradata Vantage」を)採用していただければ、ビジネスの拡張や能力の証明にもつながる」と参画理由を説明した。
データ活用が不可欠な“スマートファクトリー”
OMPは、2019年4月にBMWグループやMicrosoftが、将来の産業IoT開発を加速するために、自動車産業や製造業全体で“(Industry 4.0を具現化した先進的な工場である)スマートファクトリー”ソリューションを共有する取り組みの1つ。
現在の運営委員会はBMWグループやMicrosoftのほか、酒類メーカーのAnheuser-Busch InBev、自動車部品メーカーのBoschやZF Friedrichshafenといった企業が参画している。ここにTeradataも米国時間2月23日にOMPへの参加を表明した。
Teradataは「製造業リファレンスアーキテクチャー」「セマンティックデータストラクチャーリング」と2つのワーキンググループ(WG)に参加。日本テラデータ エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部 シニア・ソリューション・エンジニア 田中修氏は「Industry 4.0の実現には、データ活用環境導入の簡素化が必要。特定のクラウドプラットフォームに依存しないTeradata Vantageを提供し、協業からアーキテクチャーの選定を目指す」と説明する。
セマンティックデータストラクチャーリングのWGについても、「Industry 4.0やスマートファクトリーの実現には、データを理解し、関連性や依存性を可視化できる共通の形が重要。WGの知見と経験を生かして貢献していく」(田中氏)
前述の通り、OMPは欧米企業が中心だが、日本市場に対しては「日本のOEMも注目、関心を持ってもらっている。リファレンスとして国内でも展開したい」(矢野氏)としつつ、国内企業が参画する可能性について「具体的な活動はしていないが、希望があれば連携させていただく」(矢野氏)とした。