NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と三井不動産は、名古屋市にある久屋大通公園(Hisaya-odori Park)の北エリアとテレビ塔エリアにおいて共同実験を開始した。2021年12月31日まで行う予定。Hisaya-odori Parkの実店舗、デジタル空間上に構築した「Hisaya Digital Park」とバーチャル店舗の運営を通じて、リアルとバーチャルの垣根を越えて位置情報データや来店データなどを統合的に分析する。
この実験は、NTT Comが提唱する「Smart Customer Experience」の観点で実施する。Smart Customer Experienceは、NTT Comのデータ流通基盤である「Smart Data Platform」上で、オンラインとオフラインの融合を実現するOMO(Online Merges with Offline)プラットフォームの構築を目指し、さまざまなデータを連携させ統合的に分析することで、顧客の利便性を拡大させていく取り組み。
Hisaya-odori Park外観(左)とHisaya Digital Park(右)
バーチャル化のイメージ
実験では 全長約900メートルにわたるHisaya-odori ParkをCG化したVR(仮想現実)によりHisaya Digital Parkとしてバーチャル空間に再現する。バーチャル空間に配置された店舗は、実在する8店舗を高精度カメラで360度パノラマ撮影した映像でリアルに再現している。PCやスマートフォン、タブレットなどから、いつでもどこでもリアリティーのあるHisaya-odori Parkを散策することができ、バーチャル空間上では店舗のサービス情報や動画コンテンツも視聴可能だ。
また実店舗とバーチャル店舗上の来店情報などを統合し、顧客のライフスタイルを可視化することで、実店舗/バーチャル店舗間の相互送客による顧客接点の拡大を目指す。また、公園内における来園者層の違いやその行動パターンを分析し、顧客によりきめ細やかなサービスを提供するほか、出店者の顧客接点の強化への有効性を検証する。
今後、対象店舗や公園近隣施設への拡大も予定しており、今回の実験エリア以外でもバーチャル公園やバーチャル店舗を構築し、リアルとバーチャルの融合による新しい顧客体験や価値の創出と向上を検討していく。