TISは6月7日、リモートコミュニケーションサービス「XR Campus」シリーズのバーチャルツアーサービス「XR Campusツアー」を発表した。360度カメラで撮影した現実空間の映像を使った空間にアバター(分身)として参加し、参加者同士の情報交換や意思疎通を実現する。
トライアルサービスは6月下旬から開始予定。トライアルサービス申し込みは同日から開始、9月末まで受け付ける。トライアルサービス期間中の税別料金は99万円から。自社で360度動画を用意する場合の税別価格は45万円から。2021年10月にベータ版、2022年4月に製品版のリリースを予定している。
TIS テクノロジー&イノベーション本部 インキュベーションセンター 主査 加藤里奈氏
同社 テクノロジー&イノベーション本部 インキュベーションセンター 主査 加藤里奈氏は「コロナ禍でイベントや購買などがオンライン化したものの、体験としては不十分。(同社の)研究結果を活用したXR技術の社会実装で社会貢献に努めたい。その第1弾」がXR Campusツアーであると説明した。
XR Campusツアーでは、ショールームでの見学や倉庫などの施設見学、社内表彰式、観光地プロモーション、スタディツアー、バックヤードツアーなどの利用を想定している。
スマートフォンで体験できるXR Campusツアー
TISは2017年度から、仮想現実(Virtual Reality:VR)や拡張現実(Augmented Reality:AR)、複合現実(Mixed Reality:MR)の総称であるXRの研究開発に着手し、サッカーファン向けイベントのVRサービス、工事の作業工程をMRで可視化する取り組みを続けてきた。2021年3月からXR Campusツアーの概念実証(PoC)に取り組んできた。
「XRはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を連想しがちだが、身近なデバイスで身近な体験を実現するのがXR Campusツアーのコンセプト。PoCでは参加者の9割がスマートフォンで参加した」(加藤氏)
XR Campusは、XR技術で空間を作り出して、コロナ禍で変化した生活様式を踏まえたコミュニケーションを実現する基盤である。今回発表したXR Campusツアー以外にも、オフィスで用いる「XR Campusスペース」、講演やイベントでの利用を想定した「XR Campusイベント」、展示会などの大規模イベントで使用する「XR Campusエキシビション」などの開発も検討中だ。
XR Campusツアーは参加者がアバターとして仮想空間に加わり、TISもしくは利用者が用意した360度動画や画像を仮想空間に貼り付けて、互いが同じ空間を共有できる。前述の通り、360度の動画や映像を利用者が用意する場合、「1920×960ピクセルのmp4形式を推奨。市販の360度動画カメラで対応できる」(加藤氏)