自動車用のランプなどを開発する小糸製作所(港区、連結従業員数2万3799人)は、拡張現実(VR)コンテンツを作成できるクラウドサービス「スペースリー」を活用。集合研修の代替策として作業の手戻りを9割、年間180時間を削減できるという。5月27日、サービスを提供するスペースリー(渋谷区)が発表した。
製品の輝度、色度などを測定する輝度計を活用してランプを製造。紙のマニュアルや集合研修で操作方法を教育していたところ、コロナ禍で集合研修の見直しが必要になったという。
スピーディかつ均質に技術の継承や従業員個々のレベルが向上できる、従来の方法にとらわれない研修の高度化も模索していたとしている。
三密を回避、クオリティを下げずに実現できる研修手段として、輝度計の操作方法となるVRコンテンツを作成。
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順番に見ないと先に進めないチェックポイント機能を活用し、研修者が360度輝度計を見渡しながら操作する手順を学べる、ゲーム性のあるコンテンツを作成。作業手順を視覚的に把握でき、紙のマニュアルよりもわかりやすいと好評だという。見返しての復習もできるとしている。
ウェブテストと併用し、合格者のみに輝度計を貸し出すという運用ルールに変更。作業手戻りを90%削減できるという。1人あたり3時間、10人ずつを5組に分けて実施していた集合研修は、講師2人の時間も含めて年間180時間削減できるとしている。
スペースリーを活用すれば、研修に特化した360度のVRコンテンツを作成、編集可能。パノラマ写真を撮影、クラウドへのアップロードでコンテンツを自動作成できると説明している。
アカウント数が1つで小規模向け、税別月額利用価格4980円の「パーソナル」、アカウント数が3つで2万4000円の「ビジネス」、4万2000円で人工知能(AI)を活用した自動画像補正などを活用できる「プレミアム」の3プランがあるという。
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