「Excel」や紙の管理から移行、1800時間減--ローコード開発でシステム構築

藤代格 (編集部)

2021-07-13 07:15

 IT機器の保守、運用などを事業とする日立システムズフィールドサービス(江東区、従業員数2800人)は、ブラウザベースで操作できるウェブデータベース(DB)サービス「Pleasanter(プリザンター)」を採用。

 「Excel」や紙の管理から移行し、半年約1800時間を削減したという。7月12日、開発するインプリム(中野区)が発表した。

 約300の拠点を持つ日立システムズフィールドサービスは、始業から終業まで顧客を訪問する全国約2000人のフィールドエンジニアに、スマートフォンやタブレット端末などを貸与。

 貸与品は各部門がExcelで管理しながら定期的に棚卸ししていたが、多忙で実施できない、誰が未実施か把握できないなど、管理しきれていなかったという。

 社用車の管理には紙を活用。運行前に紙で申告、終了後に事務所のトレイに提出するというルールだったという。

 アシスタントが回収、集計、ファイリングし、管理者が週1回確認していたが、深夜や早朝の場合は事後申告になる、走行距離や給油回数、給油量の車両ごとの手計算が必要になるなどが課題だったとしている。

 さまざまなツールを比較し、画面設計不要、機能の選択だけで開発できるプリザンターを導入。

 スクラッチと比較して5分の1程度の労力で済み、「JavaScript」でカスタマイズもできるという。オープンソースで仕様が公開されているため、自分たちで改修もできるとしている。

 活用の第一歩として、親会社の日立システムズとの案件の見積書、仕様書のやり取りといった受発注管理システムを開発。メールベースの作業をウェブDBでの管理に移行したという。

 業務を可視化、共有可能になり、属人化から脱却。組織全体で案件をフォローできる仕組みを構築したとしている。

 有効性を確認後、フィールドエンジニア業務向けの貸与品管理システムを構築。毎週月曜日の朝に貸与品の棚卸しを促すメールを自動送信し、翌日には一覧表に自動反映できるという。未実施者を可視化し、棚卸しの習慣が浸透したと説明。各部門の棚卸しの実施フォローに必要だった約432時間がゼロになったという。

 貸与品への意識も向上し、紛失防止などにもつながっているとしている。

棚卸し確認状況のイメージ(出典:インプリム) 棚卸し確認状況のイメージ(出典:インプリム)
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 社用車管理向けの運行管理システムでは、走行開始日時やメーター距離、給油有無といった情報をスマートフォンから入力可能。車両内で数値を打ち込め、リアルタイムに確認できるという。手作業約1376時間の集計作業がゼロになったとしている。

 誰がどの車両でどこに行っているかを即座に確認できるため、顧客から緊急要請時に対応できるエンジニアを派遣するディスパッチ業務へも応用しているという。

 危険運転があった際に通知する仕組みも構築している。管理者はドライブレコーダーへ記録される危険運転の記録を月1回ほどしか確認できていなかったが、タイムリーに把握できるようになったという。翌日に指導できるようになったとしている。

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