豊田自動織機は、富士ソフトと自動車部品の製造を行う生産設備の設定値を分析、判断して高精度に最適値を予測するAI(人工知能)自動補正システムを構築した。富士ソフトが発表した。
このシステムは自動車のバンパー製造に用いる射出成形機向けのもので、豊田自動織機は自動車バンパーを100%良品で生産することを目標にしている。既に射出成形機には情報分析基盤が稼働しており、数百個のセンサーからのデータで不良品の発生原因を分析し、波形として可視化している。分析結果を基にした効率的に生産品質を安定させる理想の波形があり、波形の維持には、環境変化に合わせて制御パラメーターの設定値を調整する必要があるとのこと。調整はベテランの熟練工に委ねられ、ノウハウが完全に属人化していたという。
システムイメージ(出典:富士ソフト)
構築したAI自動補正システムは、熟練工に代わってAIが射出成形機の最適な設定値を予測し、この設定値で生産することで理想の波形に補正する。これまで不具合の発生後に熟練工が設定値を調整していたが、今回のシステムは不具合が発生する前にAIがその傾向を検出して最適な設定値を提示する。富士ソフトは、AIに関する技術とノウハウを生かして、AIがデータを分析、判断し、予測した最適な設定値を射出成形機にフィードバックする生産ラインの実現を支援した。
豊田自動織機は今後、このシステムを基盤に他の工程や事業部への展開を予定しているという。