豊田自動織機、富士ソフトとAI自動補正システムを構築

ZDNET Japan Staff

2021-07-21 14:47

 豊田自動織機は、富士ソフトと自動車部品の製造を行う生産設備の設定値を分析、判断して高精度に最適値を予測するAI(人工知能)自動補正システムを構築した。富士ソフトが発表した。

 このシステムは自動車のバンパー製造に用いる射出成形機向けのもので、豊田自動織機は自動車バンパーを100%良品で生産することを目標にしている。既に射出成形機には情報分析基盤が稼働しており、数百個のセンサーからのデータで不良品の発生原因を分析し、波形として可視化している。分析結果を基にした効率的に生産品質を安定させる理想の波形があり、波形の維持には、環境変化に合わせて制御パラメーターの設定値を調整する必要があるとのこと。調整はベテランの熟練工に委ねられ、ノウハウが完全に属人化していたという。

システムイメージ(出典:富士ソフト)
システムイメージ(出典:富士ソフト)

 構築したAI自動補正システムは、熟練工に代わってAIが射出成形機の最適な設定値を予測し、この設定値で生産することで理想の波形に補正する。これまで不具合の発生後に熟練工が設定値を調整していたが、今回のシステムは不具合が発生する前にAIがその傾向を検出して最適な設定値を提示する。富士ソフトは、AIに関する技術とノウハウを生かして、AIがデータを分析、判断し、予測した最適な設定値を射出成形機にフィードバックする生産ラインの実現を支援した。

 豊田自動織機は今後、このシステムを基盤に他の工程や事業部への展開を予定しているという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

  2. セキュリティ

    最新調査が示すセキュリティ対策の「盲点」とは?|ゼロトラスト、生成AI、サプライチェーンリスクの実態

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  5. セキュリティ

    「脱VPN」で実現するゼロトラストセキュリティ!VPNの課題を解消し、安全なリモートアクセスを確立

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]