野村証券は2019年4月にグループの部門横断組織として「未来共創カンパニー」を設立。未来共創カンパニーは“オンラインとオフラインの融合(Online Merges with Offline:OMO)”のサービス提供を展望に掲げ、新たなサービス&事業構築や価値創造を目指している。
野村ホールディングス 執行役員 未来共創カンパニー長 兼 野村証券 常務 未来共創カンパニー担当 池田肇氏
未来共創カンパニーは、活動の一環として、各種レポートや決算情報などを閲覧できる投資家向けモバイルアプリ「FINTOS!」のAndroid版を2021年2月にリリースiOS版は2021年7月)。FINTOS!には、Auth0が提供するクラウドベースのID管理サービス(Identity as a Service:IDaaS)が活用されている。
Auth0は8月4日に説明会を開催。野村ホールディングス 執行役員 未来共創カンパニー長 兼 野村証券 常務 未来共創カンパニー担当 池田肇氏が登壇した。
池田氏は「(取り引きには)口座を開かなければならないが、FINTOS!はAuth0などの協力を得て、野村証券に口座がなくても利用できる」と概要を説明しつつ、株式市場における自社の優位性を強調した。
金融のデジタル化とデジタルから金融に派生
池田氏は「サービスの立ち上げはスタートライン」に立った状態だと説明する。一般的に証券会社と投資家の関係は対面性を重視しがちだが、「(FINTOS!のような)サービスの話をすると人は不要と捉えられることも。だが、デジタルサービスが進化することで顧客需要が明確になり、高レベルのサービスを提供できる」(池田氏)とアナログとデジタルの両輪で価値を提供する姿勢を明らかにした。
FINTOS!はモバイルアプリで保有、もしくは注目する株式銘柄の登録や決算発表予定情報、独自記事などを閲覧できる。有償プランとして、野村証券のアナリストが作成した調査報告や個別銘柄の分析なども用意する。
池田氏は「金融サービスのデジタル化とデジタルサービスから金融サービスへ派生という、2つの不可逆な変化が同時に進んでいる。技術ありきではなく、顧客需要に焦点を当てたサービスが重要」だと、FINTOS!をリリースした背景を解説した。
※クリックすると拡大画像が見られます
当然ながら株取引には口座開設が欠かせないが、池田氏はこう説明した。