最近行われた調査で、多くの労働者が再びオフィスに通勤することに強い抵抗を感じており、「通勤しなくてもいいなら、給料が減っても有給休暇が減っても構わない」と考えていることが明らかになった。
従業員の身辺調査サービスを提供する企業であるGoodHireが米国の労働者3500人を対象として実施した調査で、3分の2(68%)以上の回答者が、オフィスでの労働よりもリモートワークを好んでいることが明らかになった。コロナ禍の間に在宅勤務の自由や柔軟性を享受したホワイトカラー労働者の多くは、おそらく同じことを考えているだろう。
実際、調査対象の61%は、オフィスでの労働に戻りたくないあまり、今後も在宅勤務が継続できるなら給与が減ってもいいと考えていた。中には、給与が現在の50%になっても構わないと答える人さえいた。
ただし多くの回答者は、在宅勤務のためにそこまでの大幅な給与カットを受け入れることは望んでおらず、もっとも多かった回答は、10%の減給なら許容できるというものだった。
リモートワークのために給与以外のものを諦めてもいいという従業員もいた。回答者の70%は、健康保険や歯科保険、眼科保険、有給休暇、ジムの会員権、401Kを含む退職金制度などの福利厚生を諦めてもいいと考えている。
昔と同じやり方に戻るのか
これらの調査結果は、18カ月間のリモートワークを経験した従業員を企業が説得して、オフィスに復帰させるのは大変であろうことを示している。
在宅勤務にも問題がないわけではないものの、多くの従業員は、在宅勤務には、仕事とほかの活動や生活を支えるための用事を両立できる柔軟性があることに気づいた。もちろん、1週間に5回もオフィスに通勤することで受けるストレスや交通費については言わずもがなだ。
現在、多くの企業がオフィスを再開するための計画を立てている。すでにリモートワークや「ハイブリッド」な働き方を恒久的に導入した企業もあるが、Googleを含む一部の大手IT企業は、フルタイムでのオフィス労働に戻らないことを選択した従業員の給与が実質的にカットされる可能性があると報じられ、物議を醸している。
想定されるのは、もし従業員がオフィスに通勤しないのであれば、低所得者が多く、生活費も安く済む地域で働くことも可能であり、給与もそれに合わせて調整されるべきだということだ。一方、従業員が在宅で働けば、企業にとっても食費や光熱費、不動産費用などが浮く可能性が高く、企業の主張にも穴がないわけではない。
いずれにせよ、GoodHireの調査では、労働者には大人しくオフィスに戻るつもりがないことも明らかになった。調査対象となった米国労働者の45%は、もしオフィスでのフルタイム労働に復帰することを強制されれば、今の仕事をただちに辞めるか、リモートでもできる新しい仕事を探すと述べている。
また回答者の約4分の1近くは、上司からオフィスへの復帰を命じられたら、すぐに退職すると明言している。全体としては、調査対象の労働者の74%が、現在の仕事にとどまるには何らかの形でリモートワークを許されることが条件だと回答していた。