UiPathは、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)基盤「UiPath」を通して、カネカのワークカルチャー変革とDX推進を支援したと発表した。
ポリマー素材からライフサイエンス・食品まで多様な製品を供給するカネカは、2019年2月に導入済みの「UiPath Studio」に加えて、2020年5月にはプログラミング未経験者でも利用可能なノーコードツール「UiPath StudioX」を導入した。
同社は、先行導入していたUiPath Studioを社内やグループ企業を含む25部門に適用。140のロボットが稼動し、121の業務をこなしている。114業務にRPAを適用していた2020年度末の段階で、年間2万709時間の工数削減が実現した。
UiPathを選定した理由として同社は、基幹システムのSAPシステムと連携させた複雑なワークフローを組んでも安定的に動くことや、事務処理の領域で広く利用している「Microsoft Office」などとの親和性が高いことを挙げる。また、今後RPAによる自動化を検討している各種プラットフォーム用のコンポーネント類が充実しているほか、RPA環境の管理ツール「UiPath Orchestrator」によるロボット管理機能が優れていることも採用のポイントだったという。
現在、現場部門においてUiPath StudioXの活用はスムーズに進み、開発からエラー対応までを現場で完結する自発的な開発体制が実現している。高砂工業所の6部門に導入され、現在までのロボット作成に関するエントリー数自体はおよそ60件に上り、活用の場は高砂工業所内のスタッフ部門から製造部門へと徐々に広がっている。同社では、これを成功モデルとして他の事業所などにおいても同様の取り組みを進めていく予定だ。