ニトリ、アスクル、カネカのワークスタイル変革--マイクロソフトがLyncで目指すもの

大西高弘 2014年05月14日 07時30分

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 ワークスタイル変革は、コミュニケーション変革と表裏一体で語られることが多い。社員間のコミュニケーションのスピードと質を上げることで、顧客の満足度も上がり、売り上げ向上も期待できるというものだ。社内での調整が早くなれば、顧客への回答のスピードも上がるし、商談そのものの回数も増える。そうすることで、厳しい経済環境下でも成果アップが図れる。

 そこで多くの企業がさまざまなツールやソリューションを導入してきた。社員全員にノートPCや専用の携帯電話を配り、グループウェア、テレビ会議システムなどを導入した。しかし、ワークスタイルの変革は以前にも増してメディアなどを通じて叫ばれ続けている。

 ワークスタイルの変革は企業にとって永遠のテーマだと言えばそれまでだが、有り体に言えば、なかなかビジネススピードが上がっていないという現状がある。


 例えば、グループウェアでスケジュール管理をしているが事業部単位で行っているために部門横断的なミーティングをしようとしても各部間でメールによる調整をすることになり時間がかかる。何とか調整がついた段階で会議室を予約しようとするとどこも一杯で入れない。

 こんな例もある。社員全員に仕事専用の携帯電話を支給したが、会議中に複数の参加者が携帯電話の応対に追われてしまう。会議中にPCを開いて必死にメールを打っている社員がいることから、結局長い会議では携帯もPC持ち込みも禁止になったといったケース。禁止したことで会議は静かな空間で実施されるようになったが、会議終了後に後れを取り戻すのに苦労することになる……。

 さらにテレビ会議システムを導入したが、専用線を使用するので在宅ワークや出張中の社員は参加できないし、システムが利用できる場所は限られているので、順番待ちになる。

円滑なコミュニケーションを阻害するもの

 ちょっとした実情を示しただけでも、「円滑なコミュニケーション」というものは、言うは易く行うは難しというのが分かる。複数の仕事を抱えて活動している人同士でスピーディに連絡を取り、話をまとめるのは困難極まることなのだ。

 では、何が問題になって困難になっているのか。

 まず、コミュニケーションが整理されないまま一方的に開始されると、かえって混乱し、コミュニケーションのスピードは落ちるリスクがある。つながりやすくなった分、混乱が増してしまうのだ。相手が電話中だろうと会議でプレゼン中だろうと、商談中だろうと、とりあえず電話をかけてみようということから会議中に個々の電話が鳴りっぱなしということになる。

 スケジュールを確認してからかけるのが常識といえばそれまでだが、緊急の要件の場合もあるし、会議によってはイエスかノーかの確認くらいなら構わないだろうという判断もある。またいくら待っていても、連絡の取りたい相手の状況をグループウェアで確認すると「離席中」「取り込み中」のままなのでやむを得ず、という場合もある。

 部門横断のプロジェクトがスムーズに実施できるかどうかは、ビジネスの幅を広げられるかという重要な課題にもつながるし、ワークスタイル変革の大きな目標の1つとも言えるが、スケジュール管理を各部門で行っていて他部門からは閲覧、確認ができない、といったケースもある。これでは部門間の壁ができているのも同じだ。

 また、在宅勤務や出張中の社員が顔を見ながらコミュニケーションできないというのもワークスタイルの変革を阻害する要因になる。オフィスから離れたとたんにコミュニケーションが円滑にできなくなるのでは、在宅勤務などの制度そのものが有形無実化する恐れも出てくる。

 こうした問題は、多くの企業ですでに認知されていて解決策を模索されている。しかし遅々として進まないことが多い。理由はいろいろあるが、グループウェア、専用携帯電話、テレビ会議といったそれぞれのソリューションを個別に解決していかなくてはならないというのがもっとも大きなネックになる。コストがかかりすぎるのだ。

注目されるコミュニケーションツール

 ワークスタイル変革を促す円滑なコミュニケーションを実現するには、まず、お互いが相手の状況を正確に把握できるようにして、相手の状況に合わせて連絡を取り合うなり、情報を共有することが必要だ。電話で直接話した方がいいのか、チャットなのか、メールなのか、どれが一番伝えたい情報を伝えられるかを選べないと意味がない。

 そして、改めてツールやソリューションの視点からコミュニケーションシステムを変えたい場合は、できるだけまとめて解決できる、複数のコミュニケーション手段を包括したソリューションを導入することが解決の早道になる。

 こうした視点で解決策を探している企業の中で話題になっているというソフトウェアの1つがMicrosoftの「Lync」だ。Lyncは単独導入も可能だが、多くの企業は「Office365」を導入することで同製品も利用する形を取っている。

 SharePoint、Exchange、Active Directory、Officeと連携し、チャットやプレゼンス確認、電話連携、音声とライブ映像を使ったコミュニケーションを可能にし、Skypeとも連携するLyncは、東芝、トヨタ自動車富士通など日本の大手企業が数十万単位の社員向けに導入している。世界でも、Fortune 100の企業の約9割が導入しており、日本でも導入企業が前年比4倍という勢いだ。

PBXを廃止する企業が増加

日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エンタープライズプラットフォームグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの小国幸司氏
日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エンタープライズプラットフォームグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの小国幸司氏

 日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エンタープライズプラットフォームグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの小国幸司氏は次のように話す。

 「コミュニケーションツールとしてのLyncは、2つの視点からユーザー企業の問題解決を実行できます。1つは増大するコミュニケーションコストの削減、もう1つがワークスタイル変革の視点です。多くのユーザー企業が従来の構内交換機(PBX)を廃止し、グローバルを含めた電話システムをLyncサーバに置き換え大幅なコスト削減を実施しています。Lyncは、PBXが実現していた電話転送やピックアップ機能なども備えているので、日常業務に支障をきたすことなく導入できます」

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