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ニトリ、アスクル、カネカのワークスタイル変革--マイクロソフトがLyncで目指すもの - (page 2)

大西高弘

2014-05-14 07:30

 ワークスタイル変革の点でもLyncは大きな効果を発揮するようだ。小国氏はLyncを各オフィスに掲げられている各社員のスケジュールを書いた掲示板の電子版だという。しかし、この掲示板は想像以上の能力がある。

 まず、各社員のリアルタイムの状況、つまり「取り込み中」「電話中」「会議中」「プレゼン中」といったことをクライアント端末の操作状況から自動的に判別して伝えてくれる。例えば、その人が社内で自分の端末を使ってPowerPointを使っていると、自動的に「プレゼン中」というサインが出る。

 自分のプレゼンス状況は、もちろん手動の切り替えもできるが、手動でしか切り替えられないと、うっかり長時間「取り込み中」のままにしているケースがある。Lyncはスマートフォンなどとも連携しているので、電話で会話中であれば自動的に「電話中」というプレゼンスを相手に表示する。

 またLyncには、インスタントメッセージ(IM)機能やリアルタイムの動画を使ったオンライン会議もネット環境さえあれば簡単に実現できる。IM機能では、会話中に別のメンバーにも参加してほしいとき、プレゼンスを示す画面のそのメンバーの名前をクリックして、IM画面にドラッグ&ドロップするだけでいい。

 とりあえず話の内容を共有しておきたいときなどにも使える便利な機能だ。組織横断的なプロジェクトなどの下準備をするときなどは、こうしたチャット機能だけで済ませることも可能だろう。

Lyncでのプレゼンス表示画面
Lyncでのプレゼンス表示画面

カネカ、アスクル、ニトリのLync活用方法

 2012年にOffice 365を導入しLyncの活用を開始した化学メーカーのカネカでは、やはり会議中に別の要件での電話が鳴ってしまうというケースが頻発していたという。しかし、Lync導入後は、会議が終わって自席に着いて在席中のプレゼンスに変わった途端、携帯の呼び出し音が鳴り始めるといった状況になったという。また、会議室が空いていなくても、ウェブで資料などを参照し、相手の顔を見ながらオンライン会議を簡単に開けるようになったという。この機能は、遠隔地の各支店などとの会議にも使われているとのことだ。

 オフィスサービス企業のアスクルは、2011年3月の東日本大震災で東京江東区の本社が被災した。そうしたこともあって、離れた場所にいても各社員が円滑にコミュニケーションできる基盤の存在が不可欠だと判断、本社移転の際IP-PBXではなく、LyncとExchangeを導入した。

 同社は社内外どこからでも、電話やメール、オンライン会議、テキスト チャットが行える環境を実現させている。同社は社屋のフロアにわざわざスペースを作って社員がその場で気軽にワイワイガヤガヤと話ができるようにするほど、いわゆる「ワイガヤ文化」を大切にしている。Lync導入後は、意外にもオンライン上でワイガヤ会議が自然発生して、議論が活発化しているという。

 家具インテリアの製造販売を手掛けるニトリも、Office365を導入し、Lyncを活用している企業の1つだ。同社は、1万7000ユーザーを対象にした導入を約3カ月で完了させた。同社はシンプルで使いやすく必要な機能がすべてそろっているOffice365を評価しており、必要だった機能の1つがLyncだった。

 テレビ会議システムや旧メールサーバの保守費用や旧環境のランニングコストが削減でき、Office 365の初期導入コストは3年で回収できる見込みが立っているという。当然だが、テレビ会議やメール機能などを個別のソリューションで導入していれば、こうしたコストメリットはあり得ない。

 前出の小国氏は、導入直後から3カ月ぐらいは問い合わせや苦情が出るケースもあるが、3カ月を過ぎるとパタッと聞こえなくなることがほとんどだと話す。

 「メールや呼び出し1つをとっても従来の方法が各企業に染みついているケースがあります。しかし、使っていくうちに、便利さに気付いて積極的に活用するようになるのではないでしょうか」と小国氏は語るが、それ以上にメール、IM、オンライン会議などすべてがシームレスに連携していることの効果は大きいはずだ。これがユーザーに使い勝手の良さを気付かせる要因となっているのではないだろうか。

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