日米豪印戦略対話(通称クアッド:Quad)で、非軍事的なさまざまな技術イニシアチブが発表されている。人工知能(AI)、5G、半導体などの新興技術や重要技術で、グローバルな協力体制の構築を目指すとしている。
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日本、米国、オーストラリア、インドによるクアッド各国の首脳が米国時間9月24日、初めて対面で一堂に会し、一連のイニシアチブが明らかにされた。
発表された取り組みの1つは、さまざまな技術分野でグローバルなサイバーセキュリティ標準を新たに策定することだ。
クアッドは共同声明で、「技術標準の策定に関して、分野ごとにコンタクトグループを立ち上げ、オープンかつ包括的で民間主導の、複数のステークホルダーが関与するコンセンサスベースのアプローチを推進する」とした。
グローバルな技術標準の確立に向けた取り組みの一環として、クアッドの原則声明を公表し、責任あるオープンで高水準のイノベーションを行うための指針にする計画だ。
オーストラリアのScott Morrison首相は「サイバースペース、そして新興技術と重要技術を信頼された安全なものにし、開かれた社会で問題を解決するために取り組んでいる。そして、さまざまに21世紀の私たちの安全、繁栄、環境の鍵を握るサプライチェーンの課題に対応している」と述べた。
また、サイバーセキュリティに関して、クアッドシニアサイバーグループが新設される。グループは「リーダーレベルの専門家」で構成され、定期的に会合を開いて、政府と産業界による取り組みを後押しする。共通のサイバー標準の導入と実施、安全なソフトウェアの開発、技術系労働力の育成、安全で信頼できるデジタルインフラの拡張性とサイバーセキュリティの推進などを促す。
さらに4カ国は、宇宙、サイバー脅威への対処、回復力の推進、重要インフラのセキュリティ確保で協力を開始する。
宇宙に関しては、新たな協業の機会を見出し、気候変動の監視、災害への対応と準備、海や海洋資源の持続可能な利用、共通領域における課題の対応など、平和的な目的のために衛星データを共有する。
その他の技術イニシアチブとして、産業界と連携して新設するフェローシップが発表された。4カ国の科学、技術、工学、数学(STEM)分野の大学院生100人にフェローシッププログラムを提供する。
さらに、半導体サプライチェーンの改善、5Gの導入と多様化、バイオテックにおけるスキャニングの動向を見守るといった、新たな取り組みも発表された。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。