日米豪印「クアッド」首脳らが示したテック分野の方針--新興技術やセキュリティ、宇宙など

Campbell Kwan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-09-28 15:54

 日米豪印戦略対話(通称クアッド:Quad)で、非軍事的なさまざまな技術イニシアチブが発表されている。人工知能(AI)、5G、半導体などの新興技術や重要技術で、グローバルな協力体制の構築を目指すとしている。

Quad countries announce slew of tech initiatives including shared cyber standards
提供:Getty Images

 日本、米国、オーストラリア、インドによるクアッド各国の首脳が米国時間9月24日、初めて対面で一堂に会し、一連のイニシアチブが明らかにされた。

 発表された取り組みの1つは、さまざまな技術分野でグローバルなサイバーセキュリティ標準を新たに策定することだ。

 クアッドは共同声明で、「技術標準の策定に関して、分野ごとにコンタクトグループを立ち上げ、オープンかつ包括的で民間主導の、複数のステークホルダーが関与するコンセンサスベースのアプローチを推進する」とした。

 グローバルな技術標準の確立に向けた取り組みの一環として、クアッドの原則声明を公表し、責任あるオープンで高水準のイノベーションを行うための指針にする計画だ。

 オーストラリアのScott Morrison首相は「サイバースペース、そして新興技術と重要技術を信頼された安全なものにし、開かれた社会で問題を解決するために取り組んでいる。そして、さまざまに21世紀の私たちの安全、繁栄、環境の鍵を握るサプライチェーンの課題に対応している」と述べた。

 また、サイバーセキュリティに関して、クアッドシニアサイバーグループが新設される。グループは「リーダーレベルの専門家」で構成され、定期的に会合を開いて、政府と産業界による取り組みを後押しする。共通のサイバー標準の導入と実施、安全なソフトウェアの開発、技術系労働力の育成、安全で信頼できるデジタルインフラの拡張性とサイバーセキュリティの推進などを促す。

 さらに4カ国は、宇宙、サイバー脅威への対処、回復力の推進、重要インフラのセキュリティ確保で協力を開始する。

 宇宙に関しては、新たな協業の機会を見出し、気候変動の監視、災害への対応と準備、海や海洋資源の持続可能な利用、共通領域における課題の対応など、平和的な目的のために衛星データを共有する。

 その他の技術イニシアチブとして、産業界と連携して新設するフェローシップが発表された。4カ国の科学、技術、工学、数学(STEM)分野の大学院生100人にフェローシッププログラムを提供する。

 さらに、半導体サプライチェーンの改善、5Gの導入と多様化、バイオテックにおけるスキャニングの動向を見守るといった、新たな取り組みも発表された。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]