新興企業Read AIは、人工知能(AI)やコンピュータービジョン、自然言語処理を通じて、会議の生産性を高めたいと考えている。
同社は、Madrona Venture Groupが主導するシードラウンドで1000万ドル(約11億2000万円)を調達し、表舞台に姿を現した。また、会議の参加者のエンゲージメントや感情を測定するリアルタイムダッシュボード「Read Dashboard」をリリースした。
提供:Read AI demo
ハイブリッド勤務や、これからはビデオ会議が会議の主流になるであろう現実を考えると、Read AIのコンセプトは注目に値する。Read Dashboardは現在、ウェイトリストへの登録を受け付けている。
最高経営責任者(CEO)で共同創設者のDavid Shim氏によると、Read AIのダッシュボードは、エンゲージメントや生産性、不満度を測定して、会議が実際にはどのように進んでいるのかを顧客が把握するのに役立つ可能性があるという。Shim氏は、Foursquareの元CEOだ。同氏は、エンジニアリング担当バイスプレジデントのRob Williams氏と、データサイエンス担当バイスプレジデントのElliot Waldron氏とともRead AIを立ち上げた。3氏がかつて設立したPlacedは、2017年にSnapchatに買収され、2019年にFoursquareにスピンアウトした。
Read Dashboardは、会議で使われることを参加者に通知し、コラボレーション促進に向けて、会議に関連する指標を表示する。オプトアウト機能があり、参加者のうちの1人でも希望するとRead Dashboardは無効になる。会議の記録や会話の文字起こしはしない。
提供:Read AI demo
筆者の所感
- Read Dashboardは、リモートワークに対する感想や「Zoom」疲れについて知見を得ようとしている企業にとって、興味深いものになるだろう。会議に関する指標は、管理の有効性を測る手段として利用できそうだ。
- だが、Read Dashboardによって、会議が上辺だけのものになる可能性もある。従業員は会議中にある程度発言しなければならないというプレッシャーを感じ、会議に喜んで参加しているように見せるようになるだろう。
- 従業員がRead Dashboardにどう反応するかは不明だ。最初のうちは、Read Dashboardをいささか気持ち悪いものと見なして、オプトアウトしてしまうかもしれない。また、従業員が抵抗したら、企業は会議の監視を強制するのだろうか、それとも控えるのだろうか。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。