日立製作所、従量課金型のデータ連携ストレージを発表

國谷武史 (編集部)

2021-10-05 12:21

 日立製作所は10月5日、オンプレミスとクラウド間でデータ連携を行うための従量課金型のストレージサービス「EverFlex from Hitachi」を発表した。同日から提供し、利用料金は個別見積もりとなる。

 新サービスは、同社の企業向けストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP) 5200/5600」と、ソフトウェアデファインドストレージ(SDS)製品の「Hitachi Virtual Storage Software for block(VSS for block)」を組み合わせて提供する。

ソリューションイメージ
ソリューションイメージ

 同日記者会見したサービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部長の島田朗伸氏は、「昨今では、データと分析を通じて経営を行う『データドリブン経営』の流れが加速している。しかし、ITシステムやデータが分散しており、その管理や活用、セキュリティの確保が困難なためデータの活用に課題がある」と指摘した。新サービスについて、「日立の強みを生かした高信頼性と仮想化技術でこれらの課題を解決するとともにクラウドにも拡張することで、顧客のクラウドの活用、クラウドへの移行、クラウドネイティブの仕組み作りを支援する」と表明した。

日立製作所 サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部長の島田朗伸氏
日立製作所 サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部長の島田朗伸氏

 サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 事業主管の福田裕一氏は、ミッションクリティカルシステムを運用する大企業顧客から、ストレージの性能や容量の利用実態に即したコスト最適化の要請が高まっているとし、新サービスを従量課金型(As-A-Serviceモデル)で提供することを特徴に挙げた。

 製品の詳細についてVSP 5200/5600では、ストレージボリューム、階層、他社や同社の旧型を含む300機種以上を仮想化技術により透過的に単一のストレージリソースで利用できる。サブスクリプションにより、データ処理量の増加に合せながらストレージコントローラーを拡張していけるほか、独自技術でデータ圧縮の処理性能を約40%向上させ、データ圧縮を行わない場合の消費電力の約65%削減と年間の二酸化炭素排出量の約120トンの削減が可能だとした。

 VSS for blockは、x86サーバーで利用するSDSで、将来的にAmazon Web Services(AWS)を含むパブリッククラウドのIaaSとの連携を図れるようにする。島田氏の挙げた顧客のクラウド活用のシナリオでは、オンプレミスのVSP 5200/5600およびVSS for blockを介して、クラウドストレージ環境にデータバックアップが行え、オンプレミスとクラウドのデータを一元管理できるようにする。

新SDS製品の「VSS for block」
新SDS製品の「VSS for block」

 またクラウド移行のシナリオでは、Veeam Softwareのツールも利用してオンプレミスからクラウドへ業務データ最小のダウンタイムで移行できるようにする。クラウドネイティブの仕組み作りについては、クラウドベースのアプリケーション開発・運用のための環境の構築を同社が支援し、今回のサービスを通じて既存のオンプレミス環境とも連携できるようにしていくとしている。

 福田氏は、今後同社ではハイブリッドクラウドソリューションやAs-A-Serviceモデルを拡充していくとし、今回のサービスが第一段になると説明。パブリッククラウドとの連携も「AWSを皮切りにマルチクラウドに対応する計画」と述べた。

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