日立製作所は9月13日、2050年度までに自社の生産活動、調達、製品/サービスの使用などバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現し、ネットゼロ社会に貢献する目標を新たに発表した。これは、2030年度までに全世界の工場/オフィスでカーボンニュートラルを達成する従来の取り組みを強化するものになる。
同社は2016年に、2050年度までにバリューチェーンの二酸化炭素(CO2)排出量を2010年度比で80%削減する目標を掲げており、今回の取り組みはそれを改定するもの。この目標達成に向けて、同社は製品の設計段階から環境負荷の低減を図ることで世界最高水準のエネルギー効率を実現し、顧客のCO2排出の削減や環境負荷低減に貢献するとしている。さらに、2021年7月に新たに発行した「サステナブル調達ガイドライン」を通して、調達パートナーと協力し、CO2排出削減に取り組んでいく。

日立が掲げる環境長期目標

日立の取り組み
加えて、デジタルイノベーションの加速に向けて、3年間で1兆5000億円の研究開発費を投じることも公表している。脱炭素の関連では、高効率化やエネルギーマネジメントシステム、水素関連技術などの研究開発を重点的に行っていくとしている。
日立はCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)のプリンシパルパートナーであり、ネットゼロ社会の実現に向けて、政府、都市、企業の温室効果ガス排出削減を支援する気候変動領域のイノベーターになることを目指している。また、2020年末には、パリ協定の目標である気候変動による世界の平均気温上昇を産業革命前と比べ1.5度未満に抑える「Business Ambition for 1.5℃(1.5度目標)」に署名し、国際連合が推進する「Race to Zero Campaign」に参画している。