アスリート向けブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店でスポーツ用品の製造・販売を手掛けるドームは、アドビの顧客体験管理(Customer Experience Management:CXM)プラットフォーム「Adobe Experience Platform」を導入した。アドビが発表した。
ドームは、今回の導入により、直営店での購買履歴とECサイトの行動データを横断した高度なパーソナライゼーションを進め、クロスチャネルの顧客体験を向上し、売上拡大をめざしている。8月より本格稼動を開始しており、店舗での購買履歴を統合して配信したレコメンドメールの配信単価(メールから誘導した売上を配信数で割った単価)が通常のメール配信と比較して約7.6倍に向上した。
「Adobe Experience Platform」の機能
「Adobe Experience Platform」は、データガバナンス機能を搭載した業界初のCXM プラットフォーム。同社が新たに採用したアプリケーションサービスは「Adobe Real-Time Customer Data Platform(リアルタイムCDP)」と「Adobe Journey Optimizer」。
リアルタイムCDPは、全ての顧客接点から既知顧客と匿名顧客のデータを統合して集約し、リアルタイムに分析することで、サードパーティーCookieに依存することなく高度なパーソナライゼーションを実現できるようにする。
Adobe Journey Optimizerはメール配信やプッシュ通知などのコンテンツ設計から配信管理を行う顧客エンゲージメント機能を持ち、顧客の行動をきっかけとした1to1のコミュニケーションをリアルタイムに実現することができる。
ドームは2017年からAdobe Experience Cloudのソリューション群を導入し、顧客体験の向上に取り組んできた。2021年からは、マーケティングオートメーションを支える「Adobe Campaign」を追加して、オムニチャネルでのジャーニー管理とパーソナライゼーションを進めている。
今回Adobe Experience Platformを導入したことで、ECサイトだけでなく店舗での購買履歴や行動データも含めて顧客データを取り込み、クロスチャネルの顧客体験を改善できるようになった。
アドビが提供する人工知能(AI)と機械学習のフレームワークやデータサイエンティスト向けの機能を活用し、AI/機械学習のアルゴリズムを柔軟にカスタマイズし、特定の商品群に対する見込み顧客の予測や、直営店とECサイトの購買履歴に基づく商品のレコメンデーションなど、ビジネスのニーズに合った、細やかなパーソナライゼーションを展開していく。
今後は、それぞれの志向に沿った細やかな顧客体験の提供により、2024年までにECサイトの売り上げを50%増加させることをめざす。また、パーソナライゼーション施策の運用を内製化していく。