NTTドコモは、自社のデータ分析基盤にSoftware as a Service(SaaS)型データウェアハウス(DWH)「Snowflake」を採用した。サービスを提供するSnowflakeが12月8日に発表した。
NTTドコモでは、会員数8000万人規模のポイントプログラム「dポイント会員」の会員基盤を軸とした事業運営への変革を進めている。その変革に当たって、「膨大なデータに対応した柔軟なデータ基盤をいかに構築するか」、サイエンティストやコンサルタントなど「さまざまな分析利用者の多様なニーズに合わせたデータの利用/活用環境をいかに提供できるか」という2つの対応軸が生じていたという。
膨大なデータへの対応では、データの取り込み、蓄積、加工、提供・処理の基盤としてSnowflakeを活用。ストレージとコンピュートが分離しているSnowflakeでは、事実上制限なくリソースの追加と拡張が可能となっているため、リソースの奪い合いが生じることなく全ての処理が独立し、状況に応じたデータの利用が可能になったとしている。
さまざまな分析利用者への対応では、これまで提供できる最大リソースの固定化や制限があったため行っていた全体リソースのワークロード管理や最適化が不要となり、個々の利用者のニーズに応えることのできる最適な環境へと転換した。具体的には、組織を横断したデータの共同利用、複数ツールからの同一データアクセスが可能になった。
これらの対応を組み合わせることで、加工処理の同時実行による常時ロード、遅延のないデータ分析作業といった複合価値も生まれているという。コスト面においても、使用した分のみの負担であるため、結果としてビジネスニーズの多様性に耐える基盤となった。
NTTドコモでは、今回のデータ分析基盤の高度化コンセプトを「利益に貢献するためのシステム」と「データを扱う責務を全うするシステム」と位置付けている。
前者では、利用可能な社内外データの拡充、柔軟な高度分析・環境の提供、ユーザビリティー向上、リアルタイム連携による多様性の獲得で顧客やパートナーとの一層強固な関係づくりを目指す。
後者では、変化に適応できるアーキテクチャーの実現、サービス品質保証(SLA)の明確化、セキュリティの堅守、プライバシーの保護、データ管理基盤の整備によるデータガバナンス体制強化でデータドリブンな業務改革の実現を目指す。