日本オラクル、「Oracle Cloud Infrastructure」の製品強化--「AI Service」「Data Lakehouse」など

藤本和彦 (編集部)

2021-12-23 11:44

 日本オラクルは12月22日、「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の製品アップデートについて報道機関向けにオンライン説明会を開催した。

 日本オラクル 事業戦略統括事業開発本部 本部長の佐藤裕之氏はまず、2021年の総括としてOCIが1年でどのように進化したのかを振り返った。OCIはエンタープライズデータを支えるクラウドプラットフォームとして、「柔軟な基盤」「データ基盤」「クラウドセキュリティ」「配置の柔軟性」を4つの柱として機能拡充を図ってきた。

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 この1年で、開設済みのリージョン数は29から36に、提供中のサービス数は68から95に増えた。また、350以上の新機能と機能強化が追加され、OCIを期限なく無料で使える「Always Free」の提供サービスは11から24になった。

 さらに佐藤氏はこの1年の注力点として、重要なエンタープライズワークロードの移行を容易にする「Oracle Cloud Lift Services」「Oracle Support Rewards」の提供や、Armベースインスタンスの提供とストレージ/ネットワークの強化による広範なリソースの拡大、ハイブリッドクラウド戦略に対するサポートの強化、データプラットフォームの構築、「Oracle Autonomous JSON Database」など新しい自律型サービスの導入、ビルトインのセキュリティ提供の方針の継続と4つのセキュリティサービスの強化などを挙げた。

 国内市場向けには、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)の登録完了や、Oracle Cloud Lift Service、「Cloud Center of Excellence(CCoE)サービス」「Data Driven Digital Transformationスタートアップ・サービス」の提供開始など、OCIに関わるビジネスサービスの拡充を図った。

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 その他にも、OCIのトレーニングと認定試験の受験を無償で受けられる学習プログラムも開始された。認定試験の無償受験期間は2021年12月7日~2022年3月31日までとなっている。

 佐藤氏は、OCIとともに「Oracle Database」も継続的に進化していると説明、50以上の機能強化を実施した「Oracle Database 21.3」をクラウドとオンプレミスで提供しているとアピールした。

 OCIでは、2021年9~11月の3カ月間で85以上の新機能と機能強化が提供されたという。会見では、「AI Service」「Data Lakehouse」「OCI DevOps」の3つの領域に絞って紹介した。

 AI Serviceでは、大きく6つのサービスが追加された。「テキスト分析」「音声認識」「画像認識」「時系列データに基づく異常検出」「時系列データに基づく需要予測」「データラベル」になる(詳細は下図参照)。

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 Data Lakehouseは、構造化データを処理するデータウェアハウスと半構造化/非構造化データを処理するデータレイクの機能を兼ね備えたアーキテクチャーになる。オープンソースのテクノロジーをベースとしており、データウェアハウスとデータレイクによってサイロ化されていた状態を解消する。OCI上にData Lakehouseを構築することで、データ活用の促進とインフラコストの最適化を両立したデータ分析基盤の構築が可能になるとしている。

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 OCI DevOpsは、ソフトウェアをビルド、テスト、デプロイし、開発ライフサイクルの各フェーズを自動化するもので、コード管理(Git Repository)、ビルドパイプライン、成果物管理(Artifact Registry)、デプロイパイプラインから構成される各機能を用いて、継続的インテグレーション/デプロイ(CI/CD)を取り入れ、エンドツーエンドの開発・運用プロセスを可能にする。

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