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加速する広告業界--2022年における4つの動向予測

Grace Fromm (Criteo)

2022-02-04 07:00

 新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るっています。2021年は適応の一年でした。2020年の大きな混乱を経て、消費者は新しい購買行動に適応していきました。変わることは必ずしも容易ではないものの、かつて目新しかったものに慣れていき、快適なものとなるにつれ、多くの不安が次第に消えていきました。2021年が適応の一年だったとすると、この快適さにコマースとイノベーションが融合して相互作用が起こることで、2022年は加速の一年になるでしょう。

 コロナ禍の不確実性は続いていますが、2022年は誰にとっても生活に弾みがつく年になると期待できます。消費者はコロナ禍で先延ばしにしていた計画を行動に移し、マーケターは顧客に最も役立つアプローチを進めると同時に、広告の新時代に向けて戦略を刷新していくことが見込まれます。

 2022年のマーケティング戦略策定の際に考慮すべき4つの世界的なトレンドを以下に挙げていきます。

1.Eコマースの台頭がオープンインターネットを活性化

 電子商取引(EC)は2020年に軌道に乗り、その成長は依然として堅調に推移しています。eMarketerは、ECの売り上げが2023年まで2桁成長を続け、世界の小売総額に占める割合がより大きくなると予測しています。2021年時点で、日本は中国に次いでアジアで2番目の売上高を誇る市場です。マーケターは、広告費を投じてこの動きに追随しています。eMarketerは、2021年末の世界全体の広告支出が、10年前に同社が追跡を開始して以来最も急速な成長を遂げたと述べています。

 しかし、ECは単なる購入だけの話ではありません。Criteoの消費者意識調査では、10人に7人(68%)の消費者が、これまで購入したことのない商品や重要な商品を購入する前に、オープンインターネット上の情報記事を読むことが多いと答えています。また、The Harris Pollの調査によると、消費者はインターネットを利用している時間の66%をオープンインターネット(いわゆる大手デジタルプラットフォーマーによって囲い込まれた領域であるウォールドガーデンの外にある、オープンなインターネット領域)に費やしていると回答しており、消費者のカスタマージャーニーにおいてオープンインターネットが重要な役割を担っていることが分かります。

 しかし、The Harris Pollの同調査によると、そうした実情とマーケターとの間には食い違いがあります。マーケターは、広告支出のわずか37%しかオープンインターネットに割り当てていません。残りの63%の広告支出は、いわゆるウォールドガーデンと呼ばれる大手のデジタルプラットフォーマーに投じられています。つまりマーケターは、消費者が最も長い時間を費やしているオープンインターネットという環境を、自社の投資で活用する機会を逃していることになります。

2.ファーストパーティーデータがマーケターの戦略を促進

 プライバシー規制の継続的な変更と、業界におけるアドレサビリティー(ユーザーを特定してターゲティングする手法)の変化により、マーケターは、できるだけ多くのファーストパーティーデータを収集し、それを最もインパクトのある方法で有効活用することに注力し続けるでしょう。世界中のマーケター900人以上を対象としたCriteoの調査では、10人中8人(80%)が、今後数年間のデジタルマーケティングを成功させる上でファーストパーティーデータへのアクセスが極めて重要になると思うと回答しています。

 しかし、マーケターは単独でそれに取り組むつもりはありません。アドレサビリティーの未来にうまく対処できるよう、テクノロジーパートナー、代理店、メディアオーナー(パブリッシャー)が大きな役割を果たしてくれることをマーケターは期待しています。10人中8人近く(79%)が、データの変更管理においてテクノロジーパートナーの支援が重要になると回答しています。この結果は、アドレサビリティーの前途は複雑かもしれないものの、マーケターはそれを優先課題と位置付けており、短期的および長期的な将来の成功を収める上で役立つパートナーと連携していることを示しています。

3.コマースメディアへの注目度

 ECの台頭と、ファーストパーティーデータへの業界の注力により、コマースメディアの利用が加速しています。コマースメディアはデジタル広告の新しいアプローチであり、コマースデータ(購買行動に関するデータ)とインテリジェンスを融合させてショッピングジャーニー全体で消費者にリーチおよびエンゲージし、マーケターやメディアオーナーがコマースの成果(売り上げ、収益、リード獲得)を加速できるようにするものです。

 このアプローチは、深みのある永続的なファーストパーティーのコマースデータを基盤として、全てのエンゲージメントの機会において情報を提供することから、今日私たちが知るターゲティングをしのぐものといえます。

 コマースメディアによってマーケターは、全てのチャネルにわたる消費者の具体的なニーズに基づき、また、消費者の心に響く最適な形式を用いて、理想の消費者に接触できるようになります。さらに、消費者が積極的に興味を示した商品やサービスの広告のみを、消費者が同意した広告主からのみ配信するため、より良いオンライン体験を提供できます。

4.動画とコネクテッドTV(CTV)の成長が継続

 動画とCTVは、2022年も引き続きマーケターの最重要課題となるでしょう。9000人以上の動画視聴者を対象としたCriteo調査「動画とコネクテッドTVの利用状況」では、回答者の5人に3人が、Netflix、Hulu、Disney+といった有料動画配信サービスの視聴がパンデミック以前と比べて増えていることが明らかになりました。

 同調査では、視聴者の3人に2人が有料動画配信サービスを週に5時間以上視聴しており、3分の1以上は2022年により多くの動画配信サービスを有料・無料を問わず視聴するつもりであることも分かりました。また、消費者には動画広告が好まれており、60%がテキストのみの広告よりも動画広告を好んでいます。2022年には、視覚、聴覚、動画がマーケティングミックスにもたらし得る機会を活用することがマーケターにとって有益となるでしょう。

2022年は「検証と学習」のアプローチを採用

 パンデミックと広告の未来については依然として未知の要素が多くありますが、検証と学習のアプローチを採用すれば、何が起ころうとも成長を遂げることができます。そうした学習は、マーケターによる戦略の最適化、ビジネスモデルの改善を加速させるでしょう。

Grace Fromm(グレース・フロム)
Criteo 日本、韓国、中国地域担当 マネージングディレクター
2016年にCriteoに入社。東京オフィスを拠点に日本および韓国地域のビジネスを統括し、2021年からは中国地域も担当。旧オーバーチュア(買収され現在はYahoo!Japan)で日本のセールスチームの責任者を務めるなど、過去25年以上に渡り、アジアならび米国においてデジタルマーケティング、テクノロジー、パブリックリレーションズ業界でリーダーシップを発揮し、事業の拡大や組織改革に従事。

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