アプリケーション基盤「Yappli」を提供するヤプリは、ビジネスパーソンを対象にプログラミングの学習意欲やノーコードの認知度を調査した。その結果、ノーコードの認知率は23%にとどまり、導入メリットの訴求が課題であると分かった。ヤプリが3月25日に発表した。
同社は同日、ノーコードの活用方法を探るリサーチプロジェクト「ノーコード総研」を設立。今回の調査はノーコード総研が2022年2月に実施し、経営・管理、営業/営業企画、広報・宣伝、企画・調査・マーケティング、ウェブ関係、各種コンサルタントから成る23~89歳のビジネスパーソン600人が対象になった。
プログラミング学習についての調査結果では、IT人材が「足りていない」と回答した人は45.7%で、「足りている」(24.8%)を上回った。プログラミングへの学習意欲について「興味がある」と回答したのは38%にとどまった。興味がない理由としては、「業務に全く関係しない」(57.5%)が最多で、「自分はとても無理、できる人がやるべき」という回答も32.3%だった。
ヤプリでは、「ITシステムが業務に深く浸透した今もなお、『プログラミング』に対するハードルは高く、当事者意識を持ちにくい状況があるようだ」と分析する。
一方、プログラミング学習に「興味がある」と回答した人に対して、実際の取り組み状況も聞いている。それによると、「いずれ勉強する予定だが、まだ着手できていない」が18.0%、「勉強する予定はないが、機会があれば教養として基礎を身につけたい」が28.9%という結果だった。「過去に勉強したことがあるが挫折した」(24.1%)も合わせると、約7割がプログラミング学習に継続して取り組めていないことが分かった。
プログラミングを生かしたい業務については、「データ分析・データベース構築」「ウェブサイト開発・運営」に多くの回答が集まったとしている。
次に、ノーコードについての調査結果である。調査によると、ノーコードの認知度は23.0%にとどまり、まだその言葉自体を知らない人がビジネスパーソンの大半を占めていることが分かった。
また、言葉の認知経路としては、52.9%が「新聞・ネット記事」と回答。「近年さまざまなメディアでノーコードをテーマとした特集が組まれたことが、認知のきっかけになっていると考えられる」とヤプリは分析する。「企業のサービスサイト・商談」が30.4%で続き、企業が自社サービスを「ノーコードツール」として打ち出しているのも認知につながっているようだと指摘する。
ビジネスパーソンはノーコードにどのようなイメージを抱いているのか。調査では、「直感的で分かりやすい」(43.5%)、「素早く作れる」(42.8%)、「誰でも使える」(39.1%)といったポジティブな回答が多く集まった。その一方で、自社でのノーコードツールの導入率については、「導入している」との回答は9.5%にとどまり、50.7%が「導入していない」という結果だった。
ノーコードツールの導入については、28.1%が「非常に効果があると感じる」、54.4%が「効果があると感じる」と回答した。具体的な効果としては、「社内で内製化・運用できるようになった」(36.8%)、「業務効率が上がった」(36.8%)とする回答が挙がった。
ノーコードツールの導入意向については、未導入企業の64.1%が「興味はない」と回答し、23.4%が「興味はあるが、導入予定がない」と回答。「知名度とともに、ノーコードツールのメリットがまだ理解されていないことが分かった」とヤプリは振り返っている。