Microsoftは、同社社内での「Windows 11」のロールアウトに関する詳細を明らかにしている。それによると、2021年10月5日のロールアウト開始からわずか5週間で19万台のデバイスをWindows 11にアップグレードしたという。
同社は、この世界規模での社内展開が大成功だったとしているが、それでもすべてのPCをWindows 11にアップグレードすることはできなかったという。この新OSでは、旧式のPCには搭載されていない「Trusted Platform Module 2.0」(TPM 2.0)チップセットの要求といった、厳格な最小ハードウェア要件が規定されているためだ。
MicrosoftのLukas Velush氏は同社ブログへの投稿に「Windows 11は特殊なハードウェアの搭載を要求しているため、ごく一部のデバイスはアップグレードしなかった。これらのデバイスを使用している従業員は、並行して『Windows 10』を使い続け、次のデバイス更新時に対応デバイスを入手することになる」と記している。
Microsoftは、社内のアップグレードをサポートするために独自のツール群を用意した。これには「Update Compliance」サービスと「Microsoft Endpoint Manager」のエンドポイント分析機能を用いて、デバイスが最小要件を満たしているかどうかを判定するツールも含まれている。
同社は最小要件を満たさなかったデバイスの割合を発表していないが、「ハードウェア要求とロール要求に基づき、19万台のデバイスが適格だと判断された」と記している。そして、最小要件を満たしたデバイスに対するロールアウトは大成功を収めたという。
同社は同投稿に「MicrosoftのWindows 11へのアップグレードは、今まで経験したことがないほどスムーズだったという評価が大勢を占めている」と記している。
同社はまた、Windows 11のロールアウトに関する別のページに「デプロイメントを遂行するMicrosoft Digital Employee Experienceチームは5週間をかけて対象デバイスの99%にWindows 11をデプロイした」と記している。
「アップグレードするべきではない」という判定によって除外された一部のデバイスは、デプロイメントの対象外とされた。
「サーバーや、Microsoftが新製品の動作を旧OS上で検証するためのテストラボに配置されているその他のデバイスについては、Windows 11をデプロイしないよう適宜コントロールした」(Microsoft)
同社は、Update Complianceサービスを使用してWindows 11のロールアウトに不適格、あるいは除外すべきPCを特定し、Microsoft Digital Employee Experienceチームがデプロイメント中に不適格なデバイスを統制し、自動的にスキップできるようにした。
Microsoftは「これらの制御によって、誤ってアップグレード対象と判断されたデバイスのデプロイメントもバイパスできた」と記している。