ネットワーク技術の展示会「Interop Tokyo 2022」が6月15~17日、千葉・幕張メッセで開催されている。目玉の「ShowNet」は、コロナ禍で大きく変化し、多様化しているネットワークの使い方に合わせた展示となった。
Interop Tokyoは、2020年がコロナ禍で中止され、前回の2021年はリアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド型に移行した。今回もオンライン(期日は6月20日~7月1日)とのハイブリッド型だが、前回はオンラインのみだった講演セッション「Interopカンファレンス」のリアル開催が復活するなど、コロナ禍の情勢を踏まえた試行錯誤が続く。併催イベントを含めた開催規模は、出展数が31社・団体増の394社・団体、総小間数は約42小間減の約1100小間となっている。
ナノオプト・メディア 代表取締役社長でInterop Tokyo 2022 総合プロデューサーの大嶋康彰氏
主催するナノオプト・メディア 代表取締役社長でInterop Tokyo 2022 総合プロデューサーを務める大嶋康彰氏は、「コロナ禍が一定の落ち着きを見せ、リアルイベントが中止されることはほぼなくなった。出展や来場者の数も回復基調だが、コロナ禍以前の規模には遠く及ばない。その中で、やはり対面で情報交換することの価値といったことも再確認されている。最先端のネットワーク技術を体験してもらうというInterop Tokyo本来の趣旨は変わらないが、リアルならでは価値を改めて確認していきたい」と説明した。
29回目を数えるInterop Tokyo 2022のテーマは、「インターネットによる、人々のための革新と信頼」。コロナ禍がもたらした変化における重要な点が「オンライン」であり、大嶋氏は、社会や生活の有り様がコロナ禍によって変わる中で、ネットワークがどのようにその変化に貢献しているのかを考え、このテーマを設定したと述べる。
ShowNet NOCチームメンバーで情報通信研究機構の遠峰隆史氏
Interopの目玉であるShowNetは、最先端の各種ネットワーク技術・製品などの相互接続性の検証とそのリアルな稼働を来場者に体感してもらう場だ。2022年のテーマは「前提を超えろ」。ShowNet NOCチームメンバーで情報通信研究機構の遠峰隆史氏は、「コロナ禍で生活様式や経済活動は大きく変化し、ネットワークの利用も変わりつつある。かつての前提にとらわれず、これからのネットワークの在り方に挑戦する思いを込めた」と語った。
ShowNetの位置付け
2022年のShowNetの規模は、提供機器・製品・サービスの総数が約1639台、コントリビューターは延べ533人、ケーブル総延長が約15.0km、光ファイバー総延長が約4.2kmとなった。複数の400Gbps回線や大容量の光多重伝送、クラウドの普及で進むデータセンター分散化への対応、ゼロトラストセキュリティモデルの実装、Media over IP、Wi-Fi6、ローカル5Gのデモンストレーションなど、多彩なネットワークの仕組みを展示して見せた。