Linus Torvalds氏は米国時間10月16日、Linuxカーネルのバージョン6.1のリリース候補版(rc1)を公開したと発表するとともに、開発者らに対して締め切り間際になってコードをサブミットしないよう求める、厳しいメッセージを送った。
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同氏によると、今回のリリースは、マージウィンドウ中に送られてきた非マージコミットの数が前回の1万3500件よりも少ない1万1500件だったという点で、それほど大規模なものではないという。ただ同氏は、開発者らがカーネルをアップデートする際にRust言語を使えるようにするためのインフラを準備しながら、自らが使用しているハードウェアで発生したメモリー関連の問題の解決に忙殺されていたという。同氏は、こうした問題解決作業によるいら立ちに加えて、「(マージウィンドウの)終盤になってからのさまざまなプルリクエストにややいら立ち」を感じたと述べた。
同氏は16日夕方の恒例の状況報告に「以前にも述べたが、マージウィンドウの最後の数日でかなりの数のプルリクエストを受け取ることは『本当に』迷惑だ」と記している。「Linux 6.1」に向けた(マージ)作業は10月初旬に開始されていた。
同氏は「そう、マージウィンドウは2週間だが、それは私が内容をチェックするための時間を含めた期間であり、『大急ぎで統合したブランチを2週目の金曜日に私に送りつけるための2週間』ではない。『締め切り前日に徹夜でレポートを書き上げる』というやり方は高校卒業とともにやめるべきだ。カーネル開発者には合わない考え方だ」と記している。
Torvalds氏は10日の週に、Wi-Fiのセキュリティ脆弱性に関連する、メモリー関連の深刻な問題を複数修正する作業に忙殺されていた。メモリー安全性の高いRustがドライバー開発向けの新たな言語として位置付けられているのは、こうした理由があるからだ。
Linux 6.1の特長として、Rustインフラの初導入と、多世代LRU仮想マシン(VM)シリーズが含まれている。同氏は「Linux 6.0」でその導入を試みていた。多世代LRUによってメモリーに制約のあるシステム上でのLinuxのパフォーマンスが向上する。
しかし、カーネル開発者らに対するTorvalds氏の最大の要望は、サブミットの準備をマージウィンドウが開いている間ではなく、開く前に実施しておくということだ。
「もちろん『人生にハプニングはつきもの』なので、ある程度の遅延は看過できる。だが、マージウィンドウが閉じる時を締め切りだと考えており、『マージウィンドウの前に準備を整えておくべきだ』という点を見過ごしている人が少数だがいるように感じている」(Torvalds氏)
同氏は「自らについて知ってほしい」と付け加えた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。