CoderPadが実施した、第3四半期における企業の採用状況に関する調査によると、雇用ニーズの増加と人材市場における供給不足の結果、ソフトウェア開発の重要な職種に空きが生じ、人材を補充できていないとした回答者が3分の1近くに上っているという。
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CodinGameコミュニティーの3400人を超えるシニアテクノロジープロフェッショナルを対象に実施したこの調査によると、企業の30%は第3四半期もソフトウェアエンジニアやデータサイエンティスト、DevOpsのプロフェッショナルの採用に苦労したという。
その一方で、回答者の半数近く(49%)は同四半期中に自社のテクノロジーチームに複数の人材を雇い入れたとしている。この差は、積極的な採用活動を実施しても、高いスキルを持つソフトウェアプロフェッショナルの需要を満たすのは難しいことを示している。
またこの調査では、企業の21%が第3四半期中にテクノロジーチームのメンバーをレイオフしたと回答している。CoderPadは、企業が「重要な役割を担う人材の雇用を継続する重要性を認識しつつも、テクノロジーチームの合理化」を実施しているとしている。
2022年初めにCoderPadとCodinGameが実施した調査によると、テクノロジー関連の採用担当者は2022年における最大の課題が採用活動になると予想しており、フルスタックのエンジニアやソフトウェアアーキテクト、機械学習(ML)の開発者が特に不足していると回答したという。
大手テクノロジー企業が採用の凍結や減速を発表しているにもかかわらず、企業は依然として開発人材に対するニーズを抱えており、人材不足の可能性を示唆する調査結果もある。現在のところ、高いスキルを持つテクノロジーワーカーは他の業界や職種の従事者とは異なり、高まりつつある経済的懸念の影響を受けていないようだ。
CoderPadの最高経営責任者(CEO)Amanda Richardson氏は、開発者のレイオフを実施した企業が21%あるという点は、高スキルの開発者を雇用したいと考えている中小企業にとって希望の光にもなっていると述べた。大手テクノロジー企業の福利厚生やリソースに太刀打ちできないため、中小企業は優秀な開発者を獲得しにくい。
Richardson氏は「テクノロジー関連の採用市場は第4四半期に入っても厳しい状態が続くものの、FAANG(Facebook(現Meta)、Amazon、Apple、Netflix、Google)を含む多くの企業で採用ペースが減速するため、他の企業にとってはテクノロジー関連の人材にアクセスする絶好の機会になる」と述べた。
「この状況は、開発者を必要としている、従来のテクノロジー業界以外の業界(金融サービスや、製薬/バイオテクノロジーなど)で優秀な人材を獲得する際の追い風にもなるだろう」(Richardson氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。