シチズンデベロッパーの台頭を促し、ソフトウェア開発を加速させるローコードとノーコードの市場は、すでにかなりの規模に成長しており、今後5年間で現在の2倍の規模に成長する見通しだ。ISGが先頃実施した調査によると、現時点での市場規模は約250億ドル(約3兆6500億円)で、2027年までに455億ドル(約6兆6500億円)規模に達する見通しだという。テクノロジーが制御不能になり、セキュリティが危険にさらされるという意見もあるが、そうした懸念によって、成長が抑制される可能性はあるのだろうか。解放された「シチズンデベロッパー」という新しい区分が本当に登場するのだろうか。それとも、これは希望的観測にすぎないのだろうか。
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ローコードとノーコードの支持者は、ローコードとノーコードにはリスクを補って余りあるメリットがあると指摘する。何よりもまず、このアプローチによって、ソフトウェア開発が10倍高速化する可能性もあると、ISGのプリンシパルコンサルタントのAnindeep Kar氏は話す。さらに、2023年末までに、中規模から大規模の企業の半数が「戦略的プラットフォームの1つとして」ローコードを採用することになるという。
ローコードとノーコードの魅力は「戦力を増強」できることにあり、これによって、ビジネスとテクノロジーの連携を阻害する諸問題を解決できる可能性があるとKar氏は言う。同氏によると、連携の欠如は、「歴史的に、デジタル変革が失敗する最大の原因の1つ」だという。「ローコードとノーコードは、シチズンデベロッパーとプロの開発者の間の境界線を曖昧にすることで、サイト信頼性エンジニアリングがITインフラ管理に対して行ったのと同じことを、アプリケーション開発に対して行っている。ローコードとノーコードは、慢性的なリソース不足を相殺して、開発の速度を高め、それほど複雑ではないインテリジェントオートメーションやビジネスプロセスワークフローの開発を加速させる」(同氏)
ハイブリッドやリモートの職場環境を支援するデジタル関連企業で、ローコードやノーコードが使われることが増えている。ビジネスプロセス自動化を手掛けるairSlateの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のBorya Shakhnovich氏は、「ノーコードは『クラウドフォワード』のアプローチを支援し、より速く、より便利なクラウド移行を促す」と述べている。