海外コメンタリー

成長を続けるローコード/ノーコード市場、IT部門の役割も変化へ

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-11-14 06:30

 シチズンデベロッパーの台頭を促し、ソフトウェア開発を加速させるローコードとノーコードの市場は、すでにかなりの規模に成長しており、今後5年間で現在の2倍の規模に成長する見通しだ。ISGが先頃実施した調査によると、現時点での市場規模は約250億ドル(約3兆6500億円)で、2027年までに455億ドル(約6兆6500億円)規模に達する見通しだという。テクノロジーが制御不能になり、セキュリティが危険にさらされるという意見もあるが、そうした懸念によって、成長が抑制される可能性はあるのだろうか。解放された「シチズンデベロッパー」という新しい区分が本当に登場するのだろうか。それとも、これは希望的観測にすぎないのだろうか。

PCの画面を見ながら話し合う人々
提供:Hinterhaus Productions/Getty

 ローコードとノーコードの支持者は、ローコードとノーコードにはリスクを補って余りあるメリットがあると指摘する。何よりもまず、このアプローチによって、ソフトウェア開発が10倍高速化する可能性もあると、ISGのプリンシパルコンサルタントのAnindeep Kar氏は話す。さらに、2023年末までに、中規模から大規模の企業の半数が「戦略的プラットフォームの1つとして」ローコードを採用することになるという。

 ローコードとノーコードの魅力は「戦力を増強」できることにあり、これによって、ビジネスとテクノロジーの連携を阻害する諸問題を解決できる可能性があるとKar氏は言う。同氏によると、連携の欠如は、「歴史的に、デジタル変革が失敗する最大の原因の1つ」だという。「ローコードとノーコードは、シチズンデベロッパーとプロの開発者の間の境界線を曖昧にすることで、サイト信頼性エンジニアリングがITインフラ管理に対して行ったのと同じことを、アプリケーション開発に対して行っている。ローコードとノーコードは、慢性的なリソース不足を相殺して、開発の速度を高め、それほど複雑ではないインテリジェントオートメーションやビジネスプロセスワークフローの開発を加速させる」(同氏)

 ハイブリッドやリモートの職場環境を支援するデジタル関連企業で、ローコードやノーコードが使われることが増えている。ビジネスプロセス自動化を手掛けるairSlateの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のBorya Shakhnovich氏は、「ノーコードは『クラウドフォワード』のアプローチを支援し、より速く、より便利なクラウド移行を促す」と述べている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  5. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]