西日本旅客鉄道(JR西日本)とバカンは11月10日、トイレに設置した各種検知センサーやIoT衛生器具のデータを表示・管理する「トイレ清掃管理システム」を共同開発したと発表した。「うめきた(大阪)地下駅」の開業に合わせて、サブスクリプションサービスとして提供を開始する。
トイレ清掃管理システムは、バカンの「満空検知センサー」「トイレットペーパー検知センサー」「水石鹸検知センサー」などの各種センサーや、API連携が可能な他社製のIoT衛生器具、センサーからデータを取得することで、トイレの状況をリアルタイムに表示するとともに、あらかじめ設定した基準値を超過したタイミングや設備故障の通知・蓄積を行うことで、トイレ清掃業務の効率化とトイレ内設備の予防保全を支援する。
従来、トイレ清掃は係員が決められたタイムスケジュールで清掃業務を実施していた。その際に、利用者の使用状況によっては、待ち時間が発生したり、消耗品の状況が確認できなかったり、清掃が満足に実施できない状況があったという。こうした課題を解消するため、トイレに各種センサーを設置し、清掃管理システムを導入することで、トイレの使用状況や消耗品の残量、設備の状態がリアルタイムに把握できるようになる。
清掃係員は、あらかじめ設定した基準値を超過したタイミングのアラートやトイレの利用状況に合わせて、タイムスケジュールによらない柔軟な消耗品の補充や清掃を行うことが可能になる。設備管理者は、各種センサーから集めた使用状況のデータを分析することで、トイレ内の設備のCBM(Condition Based Maintenance、状態に基づいた保全)化や将来改修時の最適な器具個数などの算定が可能になる。
トイレ清掃管理システムは、サブスクリプションサービスとして提供され、設備の位置情報や管理権限、図面等を自社で登録できる仕様となっているため、システムの導入に当たって大規模な投資を必要とせず、スピーディーに導入ができるとしている。鉄道事業者のほかにも、高速道路や飛行場など、広いエリアや地域に多数のトイレを設置している事業者にも幅広く活用可能となっている。
トイレ清掃管理システムの概要イメージ