小野薬品工業(小野薬品)と日鉄ソリューションズ(NSSOL)は11月11日、統合データ活用基盤「OASIS(Ono Advanced Scientific Insight Service)」を共同で構築したことを発表した。
OASISは、小野薬品の各部門が保有しているデータやリアルワールドデータ(RWD)などを全社横断的に一つのプラットフォーム上で人工知能(AI)分析できる統合データ活用基盤。NSSOLが提供する統合データマネジメントプラットフォーム「DATAOPTERYX」を導入し、SaaSとして提供されるクラウドデータプラットフォーム「Snowflake」とデータ統合プラットフォーム「Talend」を利用して構築した。
同製品の導入により、データを一元管理でき、強固なデータガバナンス体制を実現するという。また、同製品は改正個人情報保護法に沿い、厳格なデータセキュリティガイドラインを基に整備されている。これにより、個人情報を匿名加工情報などに加工することで、安全にデータを活用できる環境を整えた。
OASISを活用したデータの流れ
小野薬品は、各部門が異なるシステムを用いて膨大で複雑なデータを保有していたが、OASISの構築により、各部門で保有するデータを全社横断的に一元管理し、活用できる体制を整備した。今後、臨床現場で得られるRWDや各部門で蓄積された非臨床試験データ、臨床試験データ、安全性情報などを一元管理し、全社で活用することで、迅速かつ効率的に革新的な新薬を創出できるように取り組むとしている。
小野薬品におけるOASISプロジェクトの全体像
NSSOLは、OASISの導入による早期効果発揮に向けて、小野薬品とボトムアップでのデータ活用の定着活動をはじめ、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の文化醸成と、OASIS活用促進施策を企画・推進している。両社は、OASISによるデータ活用のためのアクションプランの検討、立案から概念実証(PoC)の実現に向けて協働していく。