SAPは米国時間11月15日から2日間、ネバダ州ラスベガスで開発者向けイベント「SAP TechEd 2022」を開催している。今回の目玉は、最新のローコードソリューション「SAP Build」で、ビジネスユーザーが簡単にアプリケーションを構築できるとしている。
TechEd開催前日の14日にSAPは、ラスベガスとサンフランシスコを結び、報道機関向けイベントを実施し、SAP Buildを中心にローコード分野での戦略を説明した。
SAP エグゼクティブボードメンバーでカスタマーサクセス責任者を務めるScott Russell氏
エグゼクティブボードメンバーでカスタマーサクセス責任者を務めるScott Russell氏は、直近の決算(2022年第3四半期)でクラウドの売り上げが38%増加したことなどに触れ、「SAPには180カ国25業種で顧客がいる。顧客が効率良くビジネスを運用するのをナビゲートする。景気が良い時も不確実な時代もだ」と述べた。「われわれは今、不確実な時代にある。ここでは効率化、自動化、拡張、回復力が求められており、SAPは重要な存在になる」とRussell氏は続けた。
SAPは、ファイナンシャル、サプライチェーン、人材資源などのアプリケーションで知られるが、「知られていないヒーロー」とRussell氏が紹介するのが、「SAP Business Technology Platform」(BTP)だ。SAP BTPはデータ活用、ワークフロー、プロセスオートメーションなどの機能を持ち、SAP/非SAPのアプリケーションのプラットフォームとなる。既に1万5500社がBTPを利用し、パートナーがBTP上に構築したアプリケーションは1300を数えるという。
SAP TechEdで発表される「SAP Build」は、SAP BTPの役割を「ビジネスユーザーとIT開発者の橋渡し」に拡大するものと位置付けられている。