Linus Torvalds氏は米国時間12月11日、「Linux」カーネルのバージョン6.1の安定版が利用可能になったと発表した。Linux 6.1は、Rustのインフラを初めて採用したバージョンであり、同氏は数週間前よりも「はるかに満足している」状態だと述べている。
Linus Torvalds氏
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Torvalds氏は10月、Linux 6.1のリリース候補版(rc1)の公開を発表した際、締め切り間際になってコードを提出するカーネル開発者に対するいら立ちを明らかにし、そうした行為は締め切り前日に徹夜でレポートを書き上げるようなものだと述べていた。
同氏は、予定よりも1週間遅れで公開にこぎ着けたLinux 6.1の状態について満足しているとしつつも、「Linux 6.2」の「マージウィンドウがホリデー直前で大変なもの」になると懸念している。
Torvalds氏は、同氏のいら立ちを「真剣に」受け止めた開発者の中には、Linux 6.2のプルリクエストを既に送ってきている者もいると述べ、そうした行動によってホリデー前という「厄介な」マージウィンドウへの対処が楽になるだろうとした。
Torvalds氏は「(Linux 6.1の公開を)1週間延期したのは正しい選択だったが、それにより6.2のマージウィンドウのタイミングが厄介なものになった」とLinuxカーネルメーリングリスト(LKML)に記している。
「とは言うものの、人々がその点を真剣に受け止めてくれたようだと報告できるのは喜ばしい。私の受信トレイには、明日の作業に向けて保留中のプルリクエストが既に2ダースもある。そして、今晩中にもまとまった数が届くと期待している。その結果、マージウィンドウにおける作業の多くを早めに仕上げるために取り組めるようになる。われわれは皆、静かなホリデーシーズンを迎えたいのだ」(Torvalds氏)
Linux 6.2に向けた初期のプルリクエストには、Googleの「ChromeOS Human Presence Sensor」(HPS)用のドライバーも含まれている。HPSは、「Chromebook」の前に1人以上の人間がいることを検知するためのハードウェアセンサーだ。Googleは、I2Cバスに接続されたセンサーをサポートする、「ChromeOS」のHPS用cros_hps_i2cカーネルドライバーを提出した。Googleがどういった対象のセンサーを計画しているのかは不明だが、このパッチには指紋センサーに関する言及がある。その一方で、カメラの使用も含まれる可能性がある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。