宮崎県企業局は、設備管理アプリケーション「ゲンコネ」を、発電所・ダム施設の巡視点検用のアプリケーションとして試行導入した。同製品を提供するセンシンロボティクスが12月27日に発表した。
ゲンコネは、各施設・建物の不具合・修繕箇所の情報やタスクを管理・共有できるクラウドアプリケーション。タスクにひも付いたチャットツールを通して関連各所とのやりとりを履歴として残すことができる。また、図面や360度パノラマ上で課題を管理でき、現場の往訪を最小限に抑えられるという。
宮崎県企業局では現在、各発電所の情報通信担当者が1年に1度のペースで設備のメーター点検や異音確認、ログ確認などの定期点検を実施している。しかし、発電所は山間部などのアクセスが難しい場所にあり、1~3時間かけて担当者が往訪しているケースもあるという。また、施設や設備、備品類など、熟練者と現場経験が浅いメンバーでは言葉や図面だけではうまく伝わらないという課題を抱えていた。
そこで同局は、関係者間での情報共有をスムーズに行い、定期点検の効率化を目指すためゲンコネを試行導入。クラウド上でデータを管理できるため、オフィスに戻らなければできなかったデータの入力や閲覧などを、外出時も簡単にアクセスし、各施設の情報を把握できるようになったという。
ゲンコネ上で見られる施設の課題一覧イメージ
また、同製品ではパノラマ空間にピンを立てることができるため、数多くの設備がある中で、どの設備・機器を指しているのかを明確にでき、同局ではコミュニケーションの食い違いを防ぐことができたと述べている。
360度パノラマビューのイメージ。設備にピンが立ててある