NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月23日、ビジネス共創コミュニティー「Value Add Femtech Community」を創設したと発表した。同コミュニティーでは、女性の心身の健康を支援するテクノロジー「フェムテック」の領域においてビジネスを共創するとともに、各参加事業者が保有するヘルスケアデータを用いて新たな価値を生み出すことを目指している。
近年、女性の心身の健康をサポートするテクノロジーとしてフェムテックが注目されているが、フェムテック事業者の多くはデータの取り扱いに関する安全性や信頼性の課題について、技術的な要因などから自社だけで解決することが困難なケースがあるという。また、それぞれの事業者が保有するデータは、各社のサービスに必要な情報に限られているため、活用の範囲が限られている。
こうした背景から、データの安全な保管や本人同意の取得管理、匿名加工や秘密計算(データを秘匿化したまま分析し、結果のみを出力する技術)などによって、機微な個人情報を安全に利用することが求められている。また、事業者間のデータを連携させる仕組みも必要とされている。
同コミュニティーでは、複数のフェムテックの事業者間でデータを連携・活用して製品やサービスを開発・提供し、エンドユーザーである女性のQOL(生活の質)向上を目指している。
NTT Comは、ヘルスケア業界向けプラットフォーム「Smart Data Platform for Healthcare」(SDPF for Healthcare)を提供する。同プラットフォームは、安全に統計分析する秘密計算、データセキュリティを可能にする同意管理機能、認証連携機能、匿名加工機能など、機微な情報を扱うために必要な機能を搭載しているといい、安心・安全なデータ活用が可能になるとしている。
同コミュニティーの参加事業者が保有する予防から治療、ケアまでの各ステージにおける複数のデータを収集・蓄積、分析・活用し、データの価値を向上させることで、製品やサービスの開発に取り組む。コミュニティーには、オンラインピル処方サービス「スマルナ」を展開するネクイノ、生理日・排卵日予測アプリ「Lalune(ラルーン)」を提供するエイチームなどが参加している。
同コミュニティーでは、NTT Comをはじめ参加事業者の女性社員を中心に約20人でワークショップを行い、女性の心身の健康サポートにつながるデータ活用の可能性や事業のアイデアについて既に議論を始めているという。
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