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「インクルージョン」を諦めない--NECが進める、成長戦略としての“I&D”

大場みのり (編集部)

2022-08-23 07:00

 「業界御三家」の一つで、レガシーなイメージの強いNEC――。だが近年は多様なメンバーによる事業運営に向けて、女性社員の登用、障がいのある人々の雇用、LGBTQ+の社員に対する支援、中途/外国人社員のスムーズな育成などに取り組んでいる。

 そうした活動を率いる人事総務部門 コーポレート・エグゼクティブ インクルージョン&ダイバーシティ担当の佐藤千佳氏に、同社の取り組みやその中で直面する壁、乗り越え方を聞いた。

NEC 人事総務部門 コーポレート・エグゼクティブ インクルージョン&ダイバーシティ担当の佐藤千佳氏。1982年に新卒で住友電気工業へ入社し、米国在住を経て外資系ベンチャー企業で勤務。1996~2011年、日本GE(現GEジャパン)で組織開発、採用、HRビジネスパートナー、企業買収/統合業務などを担当。2011~2016年には日本マイクロソフト 執行役人事部長を務め、ノキア 日本・東アジア地区 HRリーダーを経て、2018年にカルチャー変革本部長としてNECへ入社。その後、人材組織開発部長を兼務し、2022年4月から現職
NEC 人事総務部門 コーポレート・エグゼクティブ インクルージョン&ダイバーシティ担当の佐藤千佳氏。1982年に新卒で住友電気工業へ入社し、米国在住を経て外資系ベンチャー企業で勤務。1996~2011年、日本GE(現GEジャパン)で組織開発、採用、HRビジネスパートナー、企業買収/統合業務などを担当。2011~2016年には日本マイクロソフト 執行役人事部長を務め、ノキア 日本・東アジア地区 HRリーダーを経て、2018年にカルチャー変革本部長としてNECへ入社。その後、人材組織開発部長を兼務し、2022年4月から現職

 近年ESG(環境、社会、ガバナンス)の普及などでダイバーシティー&インクルージョン(D&I)に注目が集まっているが、NECでは多様な人材の活躍を「自社の経営や事業における成長戦略そのもの」と位置付けている。同社は「2025中期経営計画」の一つとして「ダイバーシティの加速」を掲げており、女性管理職と女性/外国人役員比率をそれぞれ全体の20%にすることを目指している。

 2021年9月には、代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田隆之氏を委員長とする「I&D推進委員会」が発足。年に2回、経営層、I&D推進担当者、マイノリティーとされる属性を持つ当事者が一堂に会して議論し、「新卒採用の女性比率50%」など具体的な目標を立てている。これにより同社は、中期経営計画の達成や「選ばれる会社」になることを目指しているという。

 成長戦略として多様性を推進する理由について、佐藤氏は「同質性が極めて高い組織では、新しいアイデアは生まれにくい。ともすると一方向に走ってしまい、コンプライアンス(社会的規範)から逸脱するリスクもある。当社グループがこれからも成長し続けるには、多様な人材がビジネスをドライブすることが不可欠である」と説明する。

 そしてNECグループは、インクルージョン(包括)が実現して初めて、ダイバーシティー(多様性)の真価が発揮されるという考えから、インクルージョンをダイバーシティーの前に置き、「I&D」と呼んでいる。「多様性の確保はもちろん必要だが、本当に大切なのは多様な人材が互いに影響し合うこと。1+1が3になるようなチームを目指している」(佐藤氏)

 だが、異なる属性やバックグラウンドの人々が互いを受け入れ、力を発揮するのは簡単ではない。同社は若手からベテランまで同質性が高く、「自分とは違う考えを持つ人もいる」という認識に課題があるという。そのため、異なる属性の人に対する無意識の思い込みを減らす研修「アンコンシャスバイアストレーニング」を実施したり、“最も比率の高いマイノリティー”である中途社員へ定期的にアンケートを行って課題を共有したりしている。

 こうした姿勢のもと、佐藤氏が率いるI&Dグループは女性社員の登用・活躍を促進する「Gender」、障がいのある人々の雇用を進める「Disability」、中途/外国人社員をスムーズに受け入れる「New Comer」、性的マイノリティーの人々への理解・支援を行う「LGBTQ」、多様な文化・宗教を受け入れる「Multi Culture」という5つの領域に注力している。

 例えば「LGBTQ」の領域では2019年度、性的指向や性自認に関係なく働ける職場づくりを目指し、「LGBTQ Ally 顔の見える相談窓口」を設置。現在5人の有志メンバーが活動しており、LGBTQ+当事者の社員や一緒に働くメンバーの相談を受け付けている。2019年10月には社内規定を変更し、同性婚を含む事実婚も法的な婚姻関係と同等に扱うようにした。当事者が安心して制度を利用できるよう、情報を開示する範囲などを社内ネットワーク上に記載しているという。

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