総合食品メーカーの東洋水産は、請求書支払業務における作業の効率化・自動化に向けて、人工知能(AI)を活用したソリューション「Remota(リモタ)」を採用した。同ソリューションを提供するファーストアカウンティングが発表した。
経理業務に特化しているRemotaは、人工知能を活用した光学文字認識(AI-OCR)の機能で証憑(しょうひょう)を読み取るだけでなく、経理の一連の業務をAIで自動化できる。読み取り精度が高く、確認作業の削減、AIによる勘定科目の自動仕訳で経理業務を効率化するという。座標設定を必要とする帳票系のAI-OCRとは異なり、深層学習で文字認識精度の向上を図る。
東洋水産では、各工場拠点に経理部門があり、部門負担設定のほか、勘定科目の階層が大階層〜小階層まで複数あるなど、業務における独自の仕訳ルールが存在する。そこで、顧客ごとに個別の勘定科目の学習が可能な仕訳AIにより複雑な仕訳ルールに対応しているRemotaと、コンカーのクラウド請求書管理システム「Concur Invoice」を同時に導入した。これにより、約350の勘定科目に対応することが可能となり、請求書支払業務の効率化を実現した。
同社は導入を支援したパートナー企業と共に、工場を含め各拠点の経理で受け入れられるよう、Remotaの画面操作や設定をカスタマイズすることで、さらなる自動化を目指している。
東洋水産 経理部の池田氏は「精算業務の省力化、請求書の電子保存対応を検討する上で、Remotaは座標設定を必要とせず、さまざまな請求書書式で精度の高いAI-OCR処理が可能であり、導入が容易な点も採用のポイントとなった。コロナ禍を契機にデジタル化が一層加速する中、RemotaとConcur Invoiceの連携により、精算業務においてもデジタル化による生産性向上と管理コスト削減の実現を目指す」とコメントしている。